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「ミレニアム3:眠れる女と狂卓の騎士」





あらすじ:

ザラチェンコを追い詰め、斧を振り下ろしたリスベットであったが、
彼を殺すには至らず、負傷して病院送りとなる。ニーダーマンは
ミカエルによって捕えられたものの、警官を殺害して逃亡する。

秘密組織である公安警察特別分析班の元班長であるエーヴェルト・グルベリ。
彼は国家機密であるザラチェンコ事件を隠蔽すべく行動を開始する。
リスベットの少女時代の精神科医テレボリアンとストックホルムでの三人を
殺害した容疑でリスベットを追っていたエクストレム検事を味方に引き入れた
グルべリは、かつての仲間であるフレドリック・クリントンを呼び、隠蔽のための
準備を着々と進める。

ザラチェンコは公安に脅しをかけてリスベットを抹殺しようとするが、あらわれた
グルべりによって射殺される。グルべりは自殺を図る。それと同じ時期にビョルクが
謎の自殺をとげる。彼はグルベリと関わりをもち、ザラチェンコ事件の真実を知る
数少ない人物のひとりであった。次々と真相にかかわる人々が消されていく。

ミカエルはリスベットの少女時代に起きた“最悪の出来事”を記した書類を
手に入れていたが、グルべリ率いる公安によって奪われてしまう。ミカエルは
リスベットの無実を証明するため、ダグが追っていた真相を世間に知らせるため、
公安と戦うことを決意。死の淵から復活した元後見人のパルムグレン、警備会社の
社長でリスベットを保護するアルマンスキー、妹で弁護士のアニカ・ジャンニーニ、
警察でありながら公安の陰謀とリスベットの無実を信じるブブランスキー警部補らと
“狂卓”というグループを組織する。かくて公安との情報戦がはじまった。
戦いの中で、ミカエルは公安警察憲法調査課のエドクリントと接触、
さらにスウェーデンの首相とも面会を果たす。首相はただちに特別チームをエドクリントに
編成させ、ミカエルはそのアドバイザーとなる。

ミカエルは病院に入院するリスベットとも接触をとり、公安の秘密を探っていく。
リスベットは、ハッカー仲間(“騎士”)に情報収集をまかせる。ミカエルは公安を
倒すべく根回しを行っていく。
そんな彼にエリカは、編集部を離れることを告げる。彼女はミカエルの愛人であり、
『ミレニアム』編集部の編集長兼経営陣であったが、大手新聞社『SMP』によって
ヘッド・ハンティングされ、その時期編集長のポストを得ていた。突然の事態に
編集部は混乱するが、それでもミカエルは事件の調査に全力を注ぐ。

『SMP』の編集長となったエリカであったが、その経営陣であるボリシェーの
スキャンダルと、彼女を襲うストーカーが原因となり、やがて編集部に戻る。

リスベットをめぐる裁判がはじまった。
検察側(公安)はエクストレムを検事に、精神科医であるテレボリアンを証人として
用意し、リスベットを合法的に抹殺すべく動く。対するリスベットは、アニカを弁護士に
迎え、裁判に備える。

リスベットは圧倒的に不利であった。敵は国家そのものである。だが、公安は
彼女と彼女の仲間たちが逆転の切り札を持っていることを知らなかった。
ミカエルは“最悪の出来事”を記した書類のコピーを持ち、さらにテレボリアンの証言を
覆すだけの資料、またリスベットが弁護士であるビュルマンに強姦された映像記録などを
手に入れ、さらに裁判の日に備えて暴露記事を記した『ミレニアム』の特集号を用意していた。

裁判はリスベット側の逆転に終わった。憲法調査課の特別チームはミカエルの行動に合わせて
チームを動かし、公安のメンバーを次々と捕える。ミカエルたち“狂卓”の“騎士”は
情報戦と裁判によって完全なる勝利を得たのだ。

晴れて自由の身となったリスベット。その彼女の前にニーダーマンがあらわれる。
ニーダーマンは暴走族の一味にかくまわれていたが、彼らの仲間を殺し、現金を奪って
逃走を企てていた。リスベットはニーダーマンを返り討ちにし、彼の命を狙う暴走族に
所在を知らせ、さらに警察を現場に呼ぶ。

ミカエルはリスベットと一年半ぶりに再会。ザラチェンコの命令でリスベットを始末すべく
動いていた者たちが全滅したことを彼女に告げに来たのだ。ミカエルに複雑な感情を抱く
リスベットは扉の鍵を開け……。
















一作目以上に余韻のあるエンディングだ。
映画でいえば、「サタデー・ナイト・フィーバー」のような感じだ。
ふたりがこの先、どうなるのか分からない。恋人になるのか、それとも友人としての
関係を継続させるのか、誰にもわからない。

作者であるスティーグ・ラーソンは亡くなってしまったのだ。もう、彼の手による続編が
書かれることは一生あり得ない。それが残念でならない。
巻末の解説によると、作者は第四巻にむけての準備を行っていたという。その途中に
病死したのだ。彼のパートナーであり、共同執筆者の女性が続編を書くかもしれないが、
それはあまり期待できない。






一作目はミステリー・サスペンスとサイコ・スリラー的な要素があった。

二作目では警察小説のような感じが。

そして、本三作目はスパイ小説のような展開となっている。

ミカエルとリスベットが主役にも関わらず、
彼らの敵である公安、通称“ザラチェンコ・クラブ”の面々に筆が割かれてある。

そこで判明するのは、彼らが一作目に登場したマルティン・ヴァンデルのような
悪役ではないということ。彼らには彼らなりの論理があったということである。
見方によれば、彼らこそが被害者と言えるかもしれない。彼らがリスベットを精神病院に
押し込んだのはザラチェンコ事件を隠すためなのだから。グルベリもクリントンも国家の
ために働いてきた人々。最近見た『M:I』シリーズのIMFの面々と本質的には
かわらないのである。

そんな彼らとミカエル率いる『狂卓の騎士』のメンバーの戦いは面白い。

前半戦。
ミカエルたちはザラチェンコ・クラブの作戦で傷つき、貴重な情報資料を奪われていく。
それでも諦めないミカエルは、ついに首相とも面会し、公的手段を用いて敵と戦う術をえる。
後半戦はまるで映画『スティング』のようだ。読者にはもう結末に至る展開が分かり切っている。
にもかかわらず、続きを読まざるをえない――文章の魔力が備わっているのだ。

ザラチェンコ・クラブの面々は勝利を確信して
余裕をみせていたが、彼らはミカエルたちの切り札を知らないままでいる。裁判のシーンでの
あの逆転の展開はもう言葉で言い表せないほどの爽快感アリ!!!






本作はスパイ小説のようなスリリングな展開がメインとなっているが、それと同時に、
国家権力とジャーナリズムの問題、差別される女性の問題も描かれている。

一作目に関するレビューの時、私はジェンダー・フリー小説としての側面がこの作品に
あるのではないか、と考えたが、それを証明するかのごとく、三作目である本作では
さまざまな女性が暴力に遭い、身を守るために戦っていく。

女性を抑圧し、暴力をふるい、差別していく男。そんな男たちと戦う女たち。
エリカ、アニカ、スサンヌ、ソーニャ、モニカ、そしてリスベット……。

彼女らは男以上に頼もしい存在である。カッコイイ! と言ってもいい。








ジェンダー・フリー小説……否、女性小説というべきかもしれない。





第一作目を読んだとき、その内容のエグさに、女性が読むのはどうだろうか…と
思った。近親相姦やフェラチオ・アナルセックスの描写は男である私でも読むと
胸が苦しかった。




だが、全三部作を読んで改めて思う。
この作品は、女性こそ、男性から抑圧されている女性こそ読むべき本だ。

物語に登場する女性たちは、己の権利を、身を守るために戦っていく。
敵は権力である。一作目や二作目のような犯罪者とはレヴェルが違うのだ。





権利とは、戦いによって確立されるものなのだろう。
憲法では人権は生まれたときから与えられしものと定められているが、それは
言葉としてしか存在しない。現実には数々の差別と、人権侵害があふれている。
それらから脱するには、自分自身の力で問題に立ち向かうしかないのだ。



















ねだるな、勝ち取れ。
さすれば与えられん!







ふと、『エウレカセブン』に出てくる言葉を思い出した黒紅茶であった。

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黒 紅 茶

Author:黒 紅 茶
どこかの田舎っぺです。
ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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