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無敵超人ザンボット3 (4)





第19話
「明日への脱出」

海底1万メートルに潜るバンドックに対し、神ファミリーは何ら打つ手立てがなかった。
勝平はザンボ・エースに乗り込み、岩を海底に投げ込見続ける。それが無駄と分かっていても、
彼を止める人間は誰もいなかった。
バンドック内でホログラフによる日光浴を楽しんでいたブッチャーは、
ザンボ・エースの投げた岩で日光浴を邪魔されたことに怒り、
メカ・ブースト、ゴルガスを海上に送り込む。勝平、宇宙太、恵子は
敵を迎え撃ち、大破に追い込んだ。勝平は大破したメカ・ブーストを
利用してバンドックを攻撃することを考え、それを実行する。
囚われの身の香月は人間爆弾の改造手術を受けようとしていた。だが、
メカ・ブーストが激突し、爆発したことによってバンドックはダメージを受け、
香月は手術台から解放、他の囚われの人々と脱走を試みる。

ブッチャーはガイゾックとの謁見の間にいた。偶然居合わせた香月は、
敵の黒幕の正体を目撃するも、ブッチャーによって再び囚われてしまう。
“ガイゾックの神”の命令を受け、ブッチャーはバンドックを浮上させる。
神ファミリーとガイゾックとの決戦が始まった。
キングビアルのイオン砲による攻撃を受けたバンドック。内部では捕虜を閉じ込める
扉が解除され、香月たち捕虜は再び犯行を試みる。バンドックはバリヤーを張るために
地上に着陸する。バンドックを援護するために、新たなメカブースト、ガイダーがあらわれた。

バンドック内で繰り広げられる銃撃戦。人間爆弾に改造された捕虜の一人が、手製の
自爆装置で敵兵士を巻き込み自爆。香月は爆発で開いた出口を通り、バンドックの外へと
抜け出す。
ガイダーはザンボットによって破れ去り、バンドックも消耗していた。ブッチャーは
地球人の捕虜を置いて宇宙に逃亡する。

戦いに勝利した神ファミリー。勝平は香月と再会し、喜びを分かち合う。一族の長老である
兵左衛門は今がガイゾックを滅ぼすチャンスであると確信する。最終決戦が始まろうとしていた……。



第20話
「決戦前夜」

宇宙に逃げたバンドック。その内部ではブッチャーが“ガイゾックの神”の叱責を受け、
新たな攻撃のための作戦を練っていた。一方、地球にいる神ファミリーは港で決戦のための
整備を行っていた。そこへあらわれた国連の防衛軍。なんと彼らはザンボットとキングビアルを
接収しようとしていたのだ。民間人である神ファミリーをこれ以上戦わせたくない、という旨の
建前をいう日本政府の代表、野崎副総理。それに対し、兵左衛門らは反論する。

ガイゾックは複数の再生メカ・ブーストを地球に送り込んできた。ついに接収されるザンボットと
キングビアル。防衛軍の隊員が搭乗するザンボ・メカは再生メカ・ブーストの一体ガルチャックと
対峙し、苦戦を強いられる。勝平たちは過去の経験からイオン砲を利用して敵を倒すべきと進言するが、
防衛軍の隊長は耳を貸さず、自分のやり方で勝利しようと試みる。しかし、戦いは思い通りにならず、
新たなメカ・ブーストが地上に降りようとしていた。

防衛軍は神ファミリーに全ての権利を返す。ザンボットに乗り込んだ勝平たちはメカ・ブーストの
部隊に戦いを挑む。その姿を目の当たりにした防衛軍の面々は少年少女の戦いぶりに絶句する。
兵左衛門と梅江は、勝平・宇宙太・恵子の3人が催眠学習によって戦うための精神教育が施され、
そのために戦闘に対する恐怖がないことを野崎らに説明する。

ドヨズラー、アモンスガー、トラシッド、そしてガルチャック。4体のメカ・ブーストの攻撃に
ザンボットは苦戦する。ブッチャーが発案した『ビリヤード玉突き戦法』が発動したのだ。
兵左衛門らのアドバイスを受け、ザンボットは装甲が一番もろいドヨズラーを倒し、敵の戦法を
抜け、海に逃げる。キングビアルのイオン砲でアモンスガーを倒し、アモンスガーの水爆を利用して
敵を破壊しようと試みたからだ。潜水するザンボット、それを見計らい、キングビアルはアモンスガーに
イオン砲を放つ。アモンスガーの水爆が発動、その誘爆によってトラシッドとガルチャックは消滅する。

戦いに勝利した神ファミリー。決戦のため、宇宙に向かう……。



第21話
「決戦! 神ファミリー」

香月、ミチを乗員に迎え、神ファミリーは宇宙に旅立った。
キングビアルでは各自、休息の時を迎えていた。梅江と兵左衛門は茶室で、勝平や香月、
一太郎らはブリッジで過ごしていた。だが、バンドックのスペース機雷の攻撃で休息の時間は
終わりを告げる。宿敵ガイゾックとの最終決戦が幕を開けたのである。

ブッチャーは名誉を挽回するため、部下に総攻撃を命じる。敗北すれば命はなかった。
ギッザーとバレターはミサイル攻撃でキングビアルを攻める。だが、和行ときいろの機転で
ミサイル攻撃は回避される。キングビアルを破壊するべく、ブッチャーはメカ・ブーストを
出撃させる。強力な素粒子ビームを装備するメカ・ブースト、ダンガルン。その迎撃のために
ザンボットが発進。接近戦で対峙する。

キングビアルはバンドックを落とすべく必殺のイオン砲を発射。対するバンドックも主砲である
バンドック砲を放つ。キングビアルは損傷し、フルパワーでイオン砲が撃てなくなってしまった。
一方のバンドックも主砲が破壊され、両者とも必殺の手段を失っていた。バンドックはキングビアルに
体当たり攻撃を仕掛ける。その間、ザンボットはダンガルンと激しい戦闘を繰り広げ、苦戦していた。

兵左衛門はバンドック撃破のために一計を思いつく――特攻である。梅江は兵左衛門に付き添って
ビアルⅡ世に向かい、キングビアルを分離させる。分離したビアルⅡ世はバンドックの底部に向かう。
そこは香月が神ファミリーに教えたバンドックの弱点であった。ダンガルンを倒したザンボットは
ビアルⅡ世の特攻を止めようとするも、時すでに遅し。兵左衛門と梅江を乗せたビアルⅡ世は爆発する。
大きなダメージを受けたバンドック。危機を感じたブッチャーは、防衛のために新たなメカ・ブーストを
放つ。メカ・ブースト、ゾンダアはザンボットに向かうも、怒りに燃えるザンボットの敵ではなかった。
戦線離脱したバンドック。勝平の絶叫が宇宙にこだまする……。



第22話
「ブッチャー最後の日」

神ファミリーはその長老たる神北兵左衛門は神梅江とともに戦死した。だが、ファミリーには
悲しむ暇などなかった。源五郎らは、非戦闘員を戦いの犠牲にしないために、睡眠薬で眠らせ、
カプセルに入れて地球に帰す作業を行っていた。香月、ミチ。神北家の由美子、公子。
神江家のすみ江、和行、きいろ。そして神家の花江。戦士たちは家族に別れを告げる。
だが、そこへガイゾックの魔の手が迫る。

ガイゾックの神の逆鱗に触れたキラー・ザ・ブッチャー。あとのなくなったブッチャーは
最後のチャンスを与えられる。それは自ら前線に立って戦い勝つことであった。ガイゾックの神は
ブッチャーにバンドックを守る守護騎士を与える。赤騎士デスカイン、青騎士ヘルダインである。
バンドックの頭部=戦闘ブロックに乗り込んだブッチャーは騎士を率いて神ファミリーに最後の
戦いを挑む。

地球に送るカプセルは残りひとつとなった。勝平の母、花江が乗り込むカプセルである。
そのカプセルを攻撃しようと、ガイゾックが迫りくる。源五郎は愛する妻を守るべく、ビアルⅢ世を
分離させ、身を挺してカプセルを守る。守護騎士の攻撃で傷つくビアルⅢ世。源五郎は大怪我を負い、
気絶する。ザンボットは防戦を行うが、敵の合体攻撃の前に苦戦する。

地球に辿り着いたカプセル群。目覚めた香月たちは通信機を使って宇宙で戦う一太郎らに
連絡を取る。最後に地球についた花江は、香月から通信機を借りて、夫である源五郎と別れの
交信を行う。

源五郎はザンボットの危機を救うため、合体攻撃を行う守護騎士にビアルⅢ世による突撃を仕掛ける。
デスカインとヘルダインは押し潰され大破。だが、源五郎も戦死してしまう。爆発するビアルⅢ世。
悲しみと怒りが一気に湧きたつ勝平。ビアルⅠ世から受け取ったイオン砲を装備したザンボットは
ブッチャーの駆るバンドックにイオン砲を発射する。四散したバンドックの頭部。
だが、なんとブッチャーは生きていた。サイボーグなのであった。戦いに敗北したブッチャーは、
勝平たちに戦う意義について問い、不気味な笑い声を響かせながら爆死する。

かくしてブッチャーは倒れた。勝利の喜びにひたろうとする勝平たちの前に、頭部のないバンドックの
下半部がその姿をあらわす。まだ、敵の真の首領であるガイゾックの神が生きているのだ……。



第23話
「燃える宇宙」

ビアル一世とザンボットは、バンドックに攻撃を行う。が、ガイゾックによって幻覚を見せられ、
同士討ちを行ってしまう。宇宙太のアドバイスによって幻覚は解かれるが、ザンボットはバンドックの
攻撃によって戦闘不能に陥る。宇宙太と恵子は、ザンボットを分離させ、ザンブルとザンベースによる
特攻をかける。勝平は二人を止めようと必死に呼びかけを行うが、徒労に終わる。

損傷の少ないザンボ・エースの活路を開くために、特攻で命を散らす宇宙太と恵子。勝平は二人の死を
無駄にしないために、バンドック内部に侵入する。破壊活動を行うザンボ・エースを撃破しようと、
レーザー機銃が次々と作動、ザンボ・エースを攻撃する。その攻撃によって、ザンボ・エースの脚部が
損壊し、勝平の愛犬であった千代錦が溶解される。ボロボロになりながらも前進するザンボ・エースは
ついにバンドックのコアに突入。そこで勝平は、ブッチャーが崇めていたガイゾックの神の正体を知る。
なんと、ガイゾックの正体はコンピューター・ドール8号と呼ばれる機械であった。ドール8号は
宇宙の平和を乱す悪しき生き物を抹殺するために、ガイゾック星人によって作られた機械で、
ガイゾックにとって神ファミリーが命を犠牲にしてまで守る地球こそ、悪の象徴であった。
これまでの戦いの意義が覆された勝平。ガイゾックは、バンドックもろとも崩壊する。

ついにガイゾックとの戦いは終わった。
爆発で外に押し出されたザンボ・エースはそのまま大気圏に突入してしまう。勝平を救うべく、
ビアルⅠ世はザンボ・エースの盾となり、乗員である神一太郎、神江大太、神北久作の三人は
爆炎に包まれ死亡する。大気圏を通り越し、ザンボ・エースは海に墜落する。そこは駿河湾、
勝平の故郷であった。

自分たちの戦いは間違っていたのか、気絶したまま自問自答する勝平。そんな彼を発見した
香月とミチ。ふたりとも勝平に好意を寄せていた。ザンボ・エースの墜落、勝平の帰還を知った人々が
次々と大挙していく。ミチの膝の上で、勝平は静かに目を開き……。








気になったセリフ&感想:



第19話

「すまない。俺たちには
どうしてやることもできなかったんだ……。」


(勝平)

香月と再会した勝平が、アキの死について触れた際にはなったセリフ。


俗に“ヒーローもの”と呼ばれる作品において、ヒーローは絶対的な力を持ち、
どのような苦難も乗り越えて行くものだ。だが、ザンボット3は違う。勝平たちは、
ガイゾックによって人間爆弾に改造された人々を救う事ができないのだ。彼らは無力なのである。
その思いが前面に出たセリフといえる。




20話

「建前なぞ……フン!
地獄にでも落ちてから通せばよい!!!」


(兵左衛門)

現実の状況に対処しようとしない防衛軍のお偉方に対して放ったセリフがこれである。
今の日本の政治家に言うべき言葉なのかもしれないな(苦笑)



本話では、これまでスルーされてきた事実が判明する。
「子供番組だから……」ということで見過ごされがちな設定――すなわち、なぜ年端もいかない
少年少女が巨大なマシンに搭乗して戦闘できるかということについてである。

アニメだから、フィクションだからということで見ている人間はそれほど突っ込んだりしないことである。
このことについて、製作者はそれなりの説得力を持たせてある。

これは第1話の時点ですでに(伏線として)用意されていたものだが、なんと勝平たちには
睡眠学習がほどこされているのだ。だが、酷な言い方をすれば、それは『洗脳』である!
彼らは戦うための戦闘プログラムを頭に叩き込まれているのだ。だから、民間人から罵声を受けても、
親しい友人、そして大切な家族を失っても戦う事が出来るのである。この設定、つまり催眠学習の設定が
なければ、視聴者には勝平たちの姿がどう映るだろうか?
ここで第8話における神江家の態度を思い出してほしい。じつは、あれこそが『自然な対応』なのである。



このほか、本話では意外な話を聞くことができる。それは、ザンボットとキングビアルが
量産体制にあるということだ。国連の防衛軍の隊員がザンボットを一時的にせよ操縦できたのも、
神ファミリーから与えられた設計図による恩恵からなのだ。

ザンボットは、正義のヒーローロボットである前に、戦闘のための兵器なのである。
見ている側にとって、戦闘シーンほど面白いものはないだろう。だが、作り手はそういう視聴者に対し、
「戦いってヒドいものなんだよ!」と暗に問いかけているのではないか?

武器を持って戦う少年少女。物語においてはカッコイイ存在である。だが、現実の世界ではどうか?
子供までが戦争に駆り出され、命を散らす現状に『カッコイイ』という感情を抱けるだろうか?


本話は富野マジック(セルの流用で新たな物語をでっちあげること!?)の象徴的な回であるが、
その根底にあるドラマは、前半部の疑問と、最終話3作における<黒い部分>を繋ぐものなのだ。




21話

「我々は……泣き叫んでいる暇はないのだ!」

(源五郎)

兵左衛門と梅江の死で悲しむ戦士たちに向けての源五郎の言葉が上記のものだ。
祖父母が目の前で死んで…はたしてこのような台詞が言えるだろうか?
このような台詞を言ってしまうほどの極限状態に物語は突入しているのだ。

事前の予告編によって、視聴者は二人が死ぬことを把握することになる。だが、
製作者はその死をさらに印象深いものとするために、メタファーが用意されてある。
それが茶碗である。21話冒頭、和室でなごむ二人は、若いころに手に入れた茶碗を見て昔を
振り返るが、そこへガイゾックの攻撃が迫り、茶碗は衝撃で割れてしまう。
この割れた茶碗が二人のその後の展開を示唆するものであることは言うまでもない。
梅江は茶碗を修復し、それを大太に託す。これはただ茶碗を託すだけでなく、未来を託すことをも
あらわしている。梅江は若いころから老人として死ぬまでの間、その茶碗を使い続けた。
家族にも、そのように――つまり、長く生きてほしい――してほしいというニュアンスがあるのだろう。


さて、ガイゾック陣営ではピンチにもかかわらず、ブッチャーはギャグを通している。
そんな彼は部下に「負けたらお前たちを殺す」旨の発言を行っている。次の22話ではガイゾックの兵士や
ギッザー、バレターなどの部下が姿をあらわさないのだが、やはり殺されたとみるべきか……。




22話


「ブッチャー、勝負はついた!
お前も敵の大将ならそれらしく覚悟しろ!!」


「ホホホホホ……覚悟ならとっくにできておるわい!
しかし、ひとつ聞きたい!」


「なんだ!?」

「お前たちは一体何のためにワシと戦った?」

「何のため?
そりゃ、地球の平和を守るために決まってるじゃないか!」


「ホ~ッホッホッホッホ……一体誰がそんなものを頼んだのだ?」

「だ、誰も頼みやしないっ!」

「お前の身内のものは、戦いのために次々と死んだ。『地球を守る』と
言って……だが、何処の、誰が、ありがたがってくれるんだ?
誰があそこ(地球を指さして)感謝している? 誰が喜んでくれるんだ?」


「うるせえ! ゴタゴタ言うな!
地球は俺の生まれて育ったところなんだ!
誰にも荒らさせないぞ!」


「ホ~ッホッホッホッホッホッ……ムダなことを!
地球はいずれにしろ亡びる運命にあるのだ!
亡びる運命に……」


(勝平とブッチャー)


本話は金田氏による作画のレベルや、源五郎の死とブッチャーの最期など、見どころ満載の話である。


源五郎の死という衝撃的な場面を迎えた視聴者にとって、ブッチャーの死はほんらい、
カタルシスの解放の場面であるはずだった。ブッチャーは人間爆弾など、数々の悪行を働いた
諸悪の根源であるのだ。そのブッチャーの口から漏れた言葉が、勝平との最後の会話なのだ。

『何のために戦う???』

最後の最後にこんなことを聞く敵役はなかなかいない。
勝平は、はじめ「地球の平和のために」と答える。だが、ブッチャーに詰問されると、
「俺の故郷だから守る」という旨の返答に変わる。



これは富野作品の特徴というべきところだが、富野氏の作品に登場する主人公の戦う目的は
実は万人の戦いではない。己のエゴを達するための戦いなのだ。

無敵超人ダイターン3、破乱万丈の目的は
『メガノイドへの復讐』

機動戦士ガンダム、アムロ・レイは
『生き残るため』『ブライトらを見返すため』『金髪さんのため(小説版)』

リーンの翼、迫水真次郎は
『リンレイ・メラディと同衾するため』

……と、誰かのために何かをするのではなく、自己のために戦うのが顕著である。
ターンエーガンダムだって、ロランが『ディアナ好き』だから、彼にとって
地球が良いところ=好きな場所だから戦っているのだ。




ザンボットにおける勝平の戦いも、当初は『香月を見返す』という側面を持っていた。
14、5歳だが、少年である勝平にもエゴが存在するのだ。
だが、別にエゴイズムを悪しきものと断じているのではない。そのエゴが多くの人々を
結果的に救いに導いているのである。

逆に、『○○のため』というような目的で行動するキャラクターは富野作品において、
物語で様々な災いを招いている。

「スペースノイドの自由のために…」
といって多くの人間が暮らすスペースコロニーを地球に落とすジオン公国・ザビ家。

「バッフ・クランのために…」
そういいつつ、自国の兵士を戦いの犠牲にするバッフ・クランのドバ・アジバ。

「宇宙の平和のため」
という名目で人類抹殺を開始するガイゾック。



エゴイズムの徒VS使命感を持つ人間


このふたつの戦いが富野作品における≪ひとつの構図≫ではないだろうか???
そして…そこには正義も悪もないのである。あるのは、戦いの残酷さと、人の
愚かさだけである…。








話が脱線してしまった。
勝平とブッチャーの会話に話を戻そう。この時点では、ブッチャーのセリフは
負け惜しみにしか聞こえない。だが、最終話におけるガイゾック(ドール8号)の台詞と
合わせるとどうなるか……。






23話

「我は、ガイゾック星人によって造られたコンピューター・ドール8号に過ぎない」

「ただのコンピューター?」

「そうだ。
悪い考えを持った生き物に反応するように造られている


(勝平とガイゾック)

ここで、ガイゾックの侵略目的が明らかとなる。そして、同時に勝平たち
神ファミリーが守るべき人類がどのような存在であるかも…。


「憎しみ合い、嘘のつき合い、わがままな考え、
まして仲間同士が殺し合うような生き物が、良いとは言えぬ……。
宇宙の静かな平和を破壊する…我はそのような生き物を
掃除するために、ガイゾックによって造られた……」




勝平が守ってきた人類は、つまり現実世界に生きる我々は、まさに
ガイゾックが言う通りの存在である。

勝平はこれまで、エゴとはいえ理想のため(地球の人々を守る)戦ってきた。
その彼に、最後の最後にあらわれた敵は、現実の残酷さなのである。

ガイゾックとの対峙の直前、勝平は――というより視聴者は――宇宙太と恵子という
物語において欠かせなかった主役の二人を失っている。それゆえに、ガイゾックへの
怒りも大きいはずだ。ザンボ・エースがガイゾックを問答無用で倒せば、それで
万々歳であるはずだった…だが、それは理想論に過ぎないのだ。勝平は敵であるはずの
ガイゾックに“正義”をぶつけられるはめになる。カタルシスが解き放たれることはない。
かわりに、勝平はゲシュタルト崩壊を引き起こしてしまう。

戦いの意義を全否定されたのだ。

そして、彼はたったひとりで地球に帰還する。

ガイゾックの最期の台詞は、

「この悪意に満ちた地球に、お前たちの行動を
分かってくれる生き物が、一匹でもいるというのか……」




勝平は、多くの人の温かいまなざしの中で目覚める。
エンディングテーマ(2番)が流れるなか、そっと目を開く勝平。

この曲のおかげで、視聴者は次のことを印象付けられる。

ひとつは、戦いが終わったこと

ひとつは、愛・正義・勇気…つまりはプラスのエネルギーを持つ人々が
大切な人が(勝平の周りに)あふれている


ということだ。

だから、

勝平は孤独じゃない。

彼には未来がある。



という結論を多くの人々が見つけることができるだろうと思う。。。


だが、音なしでこの場面を見たらどうであろうか???



果たして、勝平を迎える人々は心から彼を想って迎えているのであろうか???
そういう疑義を抱かせる存在に、あの群衆の中に意外な人物がいる。

これは解説本でも指摘されているが、

第2話でさんざん勝平らに対して悪態をついていた警察署長の存在だ。
彼がいることによって、ほんらい感動のまま終わるべきこの場面にもうひとつの
印象が与えられることとなる。

それこそ、ガイゾックの最後の言葉なのである。



あそこに群がる人々は、ガイゾックのいう悪意ある人々でもあるのだ……。




そう考えると、恐ろしいエンディングでもある。
































と、いつも以上にグダグダとなってしまった(苦笑)

『ダグラム』のときと同じく、きちんと論考めいたものを近いうちに
まとめてみたいと思うので、興味がある方はぜひ見て下せぇ!



あと、次回のレビューは、長浜三部作のひとつを取り上げようと思う。





ということで、再見!!!!!!



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プロフィール

黒 紅 茶

Author:黒 紅 茶
どこかの田舎っぺです。
ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
読んでくださいな。

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