スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

就活革命

またまた就活問題を取り扱った書籍を紹介しようと思う。

タイトルは『就活革命』。
著者は辻太一郎なる人物。帯には村上龍氏の推薦文つき。






本の内容:

社会問題化しつつある就活問題。
学生のみならず、企業や大学にもマイナスの影響を与える
現代の就活を、その問題点を浮き彫りにしたうえでひとりひとりが
とるべき対策について論じている。
就活問題において、何度も槍玉にあげられるのは決まって企業!
とくにリクルートや毎日コミュニケーションズなどの就職情報会社への“非難”は
年々増えている模様。

本書では、就活問題の根本が大学にあることを指摘している。

「就活で企業に(授業に参加する)学生を盗られている大学はむしろ被害者では?」
そういうふうに思う人がいるだろう。

だが、学生が就活優先で授業に出ないのも、企業が大学のことを歯牙にもかけず、
自分たちに都合のいいスケジュールを用意するのも、

大学がナメられている

からなのである!



高等教育機関と釘打つとおり、本来の大学の目的は高度な教養を身につけ、社会に役立てる
ための“学びの場所”であった。それが大きく歪んでしまったのだ。

また、著者がいうには、日本の企業は大学での学びの成果を重視していないらしい。
むしろ、社会では役立たないものとまで見ているそうな。企業が重視しているのは、
『どの大学に入った』かである。つまりは大学入試での成績=出身大学をみているわけだ。

日本の大学は入るのは難しいが出るのは簡単だ、とはよくいわれます。
入るのが難しいかどうかはともかくとして、出るのが簡単なのは間違いありません。
授業にあまり出なくても、期末の試験である程度の点を取ればいいのです。そして、
ある程度の点を取ることも、さして難しいことではありません。教授によっては
毎年同じ講義をし、同じような試験問題を出しますから、前年に受講した学生に
「どこが試験に出たか」を訊けばいい。ヤマをはる必要さえないのです。そして
その問題は、学生を合格させるためだけに作ったような簡単なものであったりするのです。

(P67-68)

ここに引用したこと、つまり本に書かれている記述はかなしいかな……本当のことに近い。





少子化による学生の数の減少



どの大学も――とくに地方の大学は――この問題を抱えている。
解決策として、つまり他大学との差別化に使うものは

就職実績

いつの時代からかは分からないが、この就職実績なるものが大学のステータスと化している。
ステータスを稼ぐためにはどうすればいいか? 答えは簡単。学生をどこかの企業に
どんどん就職させるしかないのだ。そうすると、授業に出られない学生が増えるだろう。
だから、大学の授業の難易度を下げるのである。そうすれば、学生は授業のことを気にすることなく
就職戦線に向かう事が出来るわけだ。




専門学校がどういう状態か、友人の話を聞いてもさっぱりな部分があるが、
大学に限って言うと、いまの大学は

就職予備校である!!!


高等教育の場とか、そういうものではなくなってしまった。
ほんとうに“学ぶ”ために大学に通う人間は少ない。
社会人として働くまでのモラトリアムとなっているのである。


著者は外国の大学と比較し、次のように述べている。

大学が企業から認められている国、すなわち大学の成績が重視される国では、
まったく事情が異なります。3年次、もしくは4年次前期の成績が出るまでは、
企業は動こうにも動けない。学生は大学での成績が就職を決めるので、とにかく
勉強をしていい成績を取らねばならない。就活している暇はないのです。
自己分析など、彼らにとっては時間の無駄以外の何物でもないでしょう。

(P80)


海外では、学生がその大学で『何を学んだか?』が重視される。
また、将来のための職業教育――つまり目指す職種に向けての専門的な学習が
行われているという。

では、日本はどうか?
リクナビやマイナビが主催する就活講座、大学の就職指導課による進路指導は
どうみても小手先の付け焼き刃に過ぎない。大学入学のための受験勉強と同じで、
その先まで見据えていないのである。

日本の就活で当たり前のように行われている自己分析。
これについて、最初のほうで著者の辻氏はこう切り捨てる。


就活をめぐる当事者である「学生」「企業」「大学」の三者の中で(これに「就職産業」を
入れてもいいかもしれませんが)、学生は常に受け身の存在です。彼らは「採用される側」で
あり「指導される側」です。自己分析も例外ではなく、彼らはしたくてしているのではなく、
やらされているのです。

(P32)

そもそも企業がそれを訪ねなければ、自己分析の必要はないのかもしれないのです。
自己分析の必要性は「エントリーシート、面接への対応」だけではない、と自己分析
必要論者は言うでしょう。そうかもしれません。が、自己分析が「就活対策」である以上、
現在の就活状況があってこその自己分析であることには変わりません。

(P33-34)



そもそも、自己分析は誰得なのだろうか???

自分の過去と嫌でも向き合わなければならない。どんどんナーバスになっていくだろう。
下手をすれば鬱にもなりかねない。それぐらい掘り下げを強要される作業だ。だが、
学生は企業に対して嘘をつこうと思えばいくらでもウソをつけるのだ。

企業は判断材料として自己分析とやらを課すようだが、たかだか20年弱しか生きていない
若者にどこまでそのようなことができようか?

「企業が求めるのだから仕方ないだろう!」
と言いたくなる人もいるかもしれないが、だからといって黙って享受するのも
いかがなものだろうか。








さて、著書の大筋のところに話を持っていきたい。



就活革命、P115の図をもとに作成




著者は、大学、企業、そして学生の悪循環をこう分析する。

企業は優秀な人材を確保するために、他社に先駆けて採用を行おうとします。
これに呼応した学生たちは、大学での勉強そっちのけで長い時間をかけた
自己分析と就職トレーニングに励みます。大学は学生の就職をサポートしようとしますが、
一方では厳しい授業が学生に嫌われるため充分な教育ができず、大学自体の活力が
低下してしまいます。その結果、大学で知的トレーニングをせず、また自己分析によって
視野や許容範囲の狭くなった弱い学生ができてしまう。企業はその弱い学生たちの中から、
少しでも優秀な人材を確保するために、ますます先を争って採用をしようとする。すると
学生はさらに早くから就活をはじめ、勉強しなくなる……。

(P156)

この負のスパイラル構造で重要なのは、この三者はそれぞれに問題を抱えているのだけれども、
それぞれの立場で適当と思われる選択をしているということです。

(P159)

そして、思い通りにならず、結局自分たちの首を絞めているだけなのである……。




著者は具体的な解決策にまで至ってはないが、大学を問題の一端を担う存在と定義したうえで、
大学に対する関心を強めるべきであると、またひとりひとりが問題の当事者としての意識を
持つべきであると指摘し、本を締めくくっている。






就活問題とは教育問題である

そう言っても過言はないのではないか?
これは前々から思っていたことである。

どうも、これまで見てきたブログでは就活問題は取り上げられているが、
その根本の部分――つまり、「なぜ、そうなのか?」まで触れられていない気がする。


この本でも肝心な点には言及されていない。
つまり、

日本の若年層向けの就職活動の歴史の変遷

どのような経緯で自己分析が採用のツールに使われ始めたのか?


などである。

また、「就活のバカヤロ~」や前回紹介した「本当にヤバイ就職活動」もそうだったが、
専門学生の現状などには触れられていない。

ここで紹介している本も、結局のところ大学生視点に基づいた就活問題であって、
就職活動をする人々全体に関する問題までには至ってないのだ。





もっと多角的な角度からこの問題を見ていく必要があると考える黒紅茶でした。
「教育」「教育」とばかりいってるので、次回は教育問題に関する書籍を
取り扱おうと思う。

それでは再見。
ブログランキング・にほんブログ村へ

(↑)皆さまの清き一票をどうか!!!
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

Secret

プロフィール

黒 紅 茶

Author:黒 紅 茶
どこかの田舎っぺです。
ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
読んでくださいな。

↓↓ポチッとな↓↓
QRコード
QR
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
FC2カウンター
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
372位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
177位
アクセスランキングを見る>>
最新コメント
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
お気に入りリンク集
Web page translation
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSリンクの表示
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。