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「恐るべき子供たち」

ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』を読んだ。
それについての感想を述べたいと思う。




あらすじ:

アムステルダム街とクリシー街のあいだにあるシテェ・モンティエ。
そこにはポールとエリザベートという姉弟が住んでいた。ポールは
学校に通い、エリザベートは病床の母の看病をしている。
ポールは学校のガキ大将ダルジェロを愛していた。ポールにはジェラールという
男友達がいるが、その彼はポールを愛し、ポールが抱くダルジェロへの思いを
快く思っていなかった。
ある雪の日。雪合戦をしていたポールたち。ポールは愛するダルジェロの
投げた雪に当たり気絶。それから病気となり、学校に通えなくなる。
ダルジェロは学校での素行の悪さから放校処分となってしまう。
ポールは愛していたダルジェロに傷つけられたこと、またその彼が学校から
去ったことにショックを覚え、心を病んでいく。ジェラールはそんな彼の
家にたびたび見舞いに行くようになる。

ポールと姉エリザベートは空想を抱いて自分たちの世界(部屋という)を作り、
楽しみを見つけていた。その空想は母親がなくなったことでいっそう強くなる。
金銭の問題がない彼らは空想の世界での遊戯をぞんぶんに楽しむことが出来た。
二人は陰険なゲーム(罵り合いや足のぶつけあい)や盗みなどを行うようになり、
それの行いはエスカレートしていく――ジェラールも巻き込んで。

数年後、エリザベートは働くことを決心する。彼女はジェラールとその伯父の紹介で
洋服店で働くようになる。そこで彼女はアガートという少女と仲良くなり、彼女はやがて
エリザベートたちと暮らすようになる。ポールたちの世界にあらたな仲間が加わった。
四人は空想の世界を楽しむ。

エリザベートはミカエルというユダヤ人の男と結婚することとなった。ポールは姉の
結婚を反対し続けるが、彼女の決意は揺らがない。だが、ミカエルは結婚式を迎えることは
なかった。事故で死んでしまったのだ。エリザベートは裕福なミカエルの遺産を手に入れ、
四人の暮らしは豊かとなる。だが、徐々に四人のバランスは崩れてきた。
ポールを愛していたはずのジェラールはその姉エリザベートを愛するようになり、
一緒に暮らすようになったアガートはポールを愛するようになったのだ。
そして、ポールもアガートを愛するようになってしまい、いつしか心を病み、体調までも
崩していく。弟ポールを独占したいエリザベートは、アガートに嫉妬心を抱く。そして、
嘘をついて、アガートとジェラールを結婚させるにいたる。

あるとき、ジェラールは成人になったダルジェロと会い、そのことをポールに話す。
ダルジェロへの想いを呼び起こされ、ポールはまた心を病んでいく。エリザベートはそんな
ポールに耐えられなくなり、二人して心を病む。ジェラールやアガートはそんな二人を
心配するも、ポールは虚言を吐くばかり。そしてついに悲劇が訪れた。なんとポールが
毒を飲んでしまったのだ。アガートは、弟を独占したいがためにエリザベートが嘘をついた
こと、そしてポールを死に至らしめようとしていることを知り、怒る。

だが、そんなことはおかまいなしに二人は自分たちの世界(=空想)に入り込む。
エリザベートは拳銃自殺を図り、ポールは息絶える。アガートはひとり取り残された……。








本作では“部屋”というキーワードが何度も登場する。
これは言葉通りの部屋ではなく、別の言葉で言いかえるのならば、それは
内的空間であり、空想――というより妄想――の世界である。
ポールとエリザベートはその部屋の住人である。

どんな子供で空想は抱く。ある意味それは子供の特権だと思う。もちろん、大人になっても
空想を抱く人はおおぜい居ると思う。けっしてそれを悪いことだとは思わない。

ポールとエリザベートの姉弟は空想に自分たちの生きる場所をつくっていた。
彼らは現実に生きながらも、そこに生き場を求めていなかったのだ。

ジェラールとアガートの存在は、その場所を破壊する脅威だった。だから、エリザベートは
二人を排除したのである。彼女は弟を溺愛していたのだ。生き場所である部屋が壊れることに
恐怖したのだ。しかし、部屋は、ふたりが作り出した内的空間は破綻を迎えてしまう。



本作は大人になれなかった二人の姉弟の悲劇とみることもできる。あるいは偏愛が生んだ悲劇とも。



悲劇であることは疑いない。もっとも、それはアガートやジェラールの立場から
みた解釈かもしれないが。

ポールとエリザベートにとっては幸福だったのかもしれない。
彼らは永遠に自分たちの部屋で暮らせるのだから。



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黒 紅 茶

Author:黒 紅 茶
どこかの田舎っぺです。
ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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