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自由と社会的抑圧

essai(全体主義社会あるいは国家としての日本)を書くにあたっての
参考文献をいくつか数回にわたって紹介したいと思う。

今回はシモーヌ・ヴェイユの「自由と社会的抑圧」





本の内容:

第一次世界大戦や世界大恐慌などによって混迷の時代を迎えた
近代社会の構造的な不正と抑圧の原因についての考察。
格差是正のために生まれたはずのマルクス主義革命の失敗や、
自由を獲得するための方法についても検討している。
いまでは当たり前のようになっているマルクス主義・共産主義、全体主義への批判。
だが、著者であるシモーヌ・ヴェイユがこの論文を書いた頃は、スターリン独裁による
ソビエト連邦の全盛期――すなわちマルクス主義・共産主義、全体主義の全盛期であった。
スターリンによる粛清劇の全貌が明らかになっていない時世に、彼女はその限界について
考察していたのである。

革命という語は、それがために人を殺し、それがために人が死に、それがために人民大衆が
死に追いやられるにもかかわらず、いっさいの実体を欠く語なのである。
しかしながら、革命的な理想になんらかの意味を与えることはできよう。
可能な展望としてではなく、すくなくとも実現可能な社会的変革の
理論上の臨界(リミット)として。われわれが革命にもとめるのは、社会的抑圧の廃絶である。
しかし、この観念がなんらかの意義を有するには、社会が個人に加える抑圧と、
個人的恣意を社会秩序に服させることを、心して区別せねばならない。
(36-37P)


マルクス主義は資本主義に対するアンチテーゼとして登場した。社会主義者たちは
社会主義革命の成功によってユートピアが到来することを期待していた。しかし、
革命がもたらしたものは混沌であった。

ひとつの支配形態が躍進を阻まれて衰退へと転ずるとき、
徐々に消滅する道をたどるわけではない。
ときには逆に、このうえなく苛烈で抑圧的になり、人間たちをその重圧で押しつぶし、
容赦なく肉体と心と精神をうち砕く。
(69P)


改革や革命をぶちあげて歴史を異なる方向に導くことを想像し、
専制や軍国主義にたいする防禦的または攻撃的な行動に期待するのは、白日に夢みるにひとしい。
(132P)



ここで簡単に著者であるシモーヌ・ヴェイユについて紹介したい。
1903-1943年を生きた彼女は、哲学者アランの門下生であった。アランは、「幸福論」を
書いたことで知られ、教師として多くの若者を教え、数多くの思想家や作家を輩出した。
その門下生であった彼女は、労働者階級に興味を持ち、工場や農場などで働きながら
社会主義やマルクス主義について触れるにいたる。しかし、彼女は自らが労働者として
働く中でしだいに社会主義についての限界を感じ、やがて、その批評を行うに至る。それが
ここで紹介している「自由と社会的抑圧」なのである。

この論文が世に出る前後、(岩波文庫版の解説によれば)彼女はあのトロツキーと
交流していたと言う。そして、その彼を前にしてマルクス主義批判を行ったと言うのだ。
(トロツキーが何者であるかは各自で調べたし、笑)

彼女はマルクス主義による社会の是正は叶わないと断じた。そのうえで彼女は
問題解決のための論を展開していく。

もっとも弊害の少ない社会とは、
一般の人びとが行動するさいにあたってもっとも頻繁に思考する義務を負い、
集団的生の総体にたいして最大限の制御の可能性を有し、
最大限の独立を保持するような社会である。
(111P)

唯一の救いの可能性は、社会的生の漸次的な脱集中化をめざして、
強気も弱気も力をあわせて方法的に協働することだが、
それがいかに不条理な考えであるかは一目瞭然である。
(136P)



権力者や知識人など、一部の人間に社会を任せるのではなく、
社会に生きる人間ひとりひとりが責任をもって社会に向かい合わなければならない……。
そう要約することも可能だろう。だが、そういう日はいつ来るのだろうか。


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ブログタイトルの“Of”は
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詳しくは「はじめに」を
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