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「鷲は舞い降りた」

ジャック・ヒギンズ原作の『鷲は舞い降りた』を読んだので、
それについてのレビューを行う。

この作品が発売したのは1975年で、発売から数ヶ月間、イギリスとアメリカで
大ヒットとなり、ロバート・デュバルらをキャストとして映画化された。

作品では、ジャック・ヒギンズ本人が当事者たちにインタビューを行いまとめた、
ノンフィクションスタイルとなっている。たしかに、ヒトラーやヒムラーは実在の
登場人物であるが、本作はあくまでフィクション(架空歴史小説というべきか)である。




あらすじ:

1943年、ヒトラー率いるナチスの指導下にあるドイツは、ソ連の遠征に失敗し、
連合国によって徐々に追い詰められていた。ヒトラーは、特殊部隊がムッソリーニを
救出した一件に狂喜し、側近に対し、同じような特殊部隊の手でドイツの宿敵である
イギリス首相のチャーチルを誘拐できないか、と言う。
その場にいた国防軍情報部(アプヴェール)のカナリス提督は、総統の世迷いごとに
過ぎないとして忘れ去ろうとしたが、ゲシュタポ長官のヒムラーの存在を恐れ、
無謀な作戦を計画しているふりだけでもしようと決心、部下のラ―ドル大佐に、
チャーチル誘拐の作戦立案を一任する。時の偶然か、作戦計画を立てるラ―ドルは、
スタドリ・コンスタブルにいる諜報員ジョウアナ・グレイから、彼女がいる土地に
チャーチルがあらわれる旨の報告を受ける。
実行不可能に思えた架空の作戦が、実行できるかもしれない。ラードルは
上司であるカナリスに伝えるが、体裁をつくるだけでいいと思っていたカナリスは
作戦のことを忘れるようラ―ドルに言う。だが、ラ―ドルによる作戦計画はヒムラーに
知れ渡る。ヒムラーは圧力を使ってラ―ドルに作戦を実行するよう命令をする。

ラ―ドルは、作戦実行のための人材を集めていく。
元IRA(アイルランド共和軍)兵士のリーアム・デヴリン、
親衛隊員で、元イギリス自由軍のハーヴィ・プレストン、
撃墜王でありながら失言で騎士鉄十字章受賞から遠ざかったペイタ・ゲーリケ、
クルト・シュタイナと十数名の部下。

作戦の実行責任者であるシュタイナは数々の戦いで伝説的手腕を発揮した軍人であったが、
ドイツ軍に暴行されるユダヤ人少女を部下と救出したことから軍法裁判にかけられ、
懲罰任務に従事させられていた。彼の父はかつて軍の少将であったが、その父は反逆罪で
ゲシュタポに捕えられ、裁判にかけられようとしていた。シュタイナは父の罪を軽くすると
いう条件をラ―ドルに提示、作戦の準備を行う。

元IRAの兵士であったデヴリンは、シュタイナら実行部隊(落下傘部隊)の作戦行動を
円滑にするため、先兵として単身スタドリ・コンスタブルに潜入する。
彼は村の住人らとかかわりをもち、モリィ・ブライアという少女と懇意になっていく。
デヴリンは、作戦で必要な物資を闇商人から手に入れようとするが、デヴリンを
快く思わない商人は彼を殺害しようとする。それをデヴリンは返り討ちにするが、
IRA式の制裁を行ったことで、ロンドン警視庁に目をつけられてしまう。

11月4日、作戦の実行部隊であるシュタイナ率いる落下傘部隊がノーフォークへ降下、
ラ―ドルは作戦開始の暗号文(鷲は舞い降りた)をヒムラーに打電する。
現地で作戦の最終準備を行う部隊であったが、部下のひとりが川で溺れかけていた子供を
助け、死亡したことによってその正体を村人に知られてしまう。
シュタイナは村人を村の教会に閉じ込めるが、教会の神父ヴェリカの妹パメラは軍隊に
助けを呼ぶために逃げ出す。彼女は村で人望のあるジョウアナ・グレイを訪ねるが、
ドイツの諜報員であるジョウアナは本性をあらわし、パメラを銃撃する。けがを負った
パメラは傷つきながらも逃げ、軍隊にドイツ軍の特殊部隊が村を制圧したことを伝える。

シュタイナたちを攻撃すべく、コンスタブル近くに駐屯するアメリカ軍レンジャー部隊が
村に到着する。シャフトゥ大佐率いるアメリカ軍とシュタイナ率いる特殊部隊との間で
銃撃戦がはじまった。次々と部下を失うシュタイナ。彼は閉じ込めていた村人を逃がす。
作戦は失敗した。

シュタイナは、負傷した部下をデヴリンに任せ、単独行動を決意する。デヴリンは、
モリィに別れを告げ、潜水艦でスタドリ・コンスタブルをあとにする。
チャーチル誘拐作戦が失敗したことを知ったヒムラーは、部下にラ―ドルを逮捕するよう
命令を下す。

シュタイナはアメリカ軍に変装し、チャーチルが滞在する別荘を襲撃、本人と対峙するが、
銃を発砲することなく、駆け付けた衛兵によって射殺される。
チャーチルは刺客であるシュタイナの勇気に感銘をおぼえ、丁重に葬るよう命じる。
それまでドイツ兵を残虐非道の輩と思っていたスタドリ・コンスタブルの村人たちは、
シュタイナら特殊部隊の態度や戦いように心を動かされ、ひそかに墓を建てる……。








戦争をテーマとした物語では、ドイツ軍は悪役に回ることが多い。
しかし、本作は通常悪役とされるべきドイツ軍が主役の異色の物語である。

ラ―ドル、シュタイナ、デヴリン……。
本作の登場人物は権力という圧力を受けながら作戦成功のために苦労を重ねて行く。
彼らは、どちらかといえば反ナチズム的な人間である。しかし、作戦とあれば
私情を捨ててひたすら戦う。

スパイ・アクションの要素以前に、各登場人物の人物描写が細かい。
行動理由も明確で、また、歴史上の人物を多く登場させていることもあって
リアリティに富んでいる。
ラ―ドルに無理やり作戦を遂行させ、シュタイナの父を拷問で殺すヒムラーの性格は
歴史通りというべきか。


序盤と終盤で作者であるヒギンズ本人が登場している。彼の存在で本作は
まるで現実に起きた事件であるかのような錯覚を読者はおぼえてしまう。そこも
魅力的と言える。


本作は決してナチスやその所業を賛美する作品ではない。かといって反戦的な
内容ともいえない。戦いに命をかける男たちのドラマというべきだろう。





余談だが、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場する
シュタイナーの名前は、本作の主人公であるシュタイナから拝借しているそうな。


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ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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