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「堕落論」

高校時代の友人であるMと出かけたとき、イオンのヴィレッジ・ヴァンガードに
寄ってみた。そこで買ったのは、ハルキ文庫版の『堕落論』。
著者はもちろん坂口安吾。収録されている作品は表題のほか、その続編と
青春論、恋愛論の系4作品。




本の内容:

戦時中と戦後における世相の変化、そこに存在した偽善・欺瞞を批判し、
堕落することによって人間は人間本来の存在を得ることができると論じた書。




と、端的に論じればそうなる。

戦時中、美徳とされてきた事柄が、世相が日本に対し、人々に対して
どのような影響を与えたのかを真っ向から論じている。現代でもタブーと
されている天皇制への考察なども興味深い。


堕落という言葉に対し、私たちは悪いイメージを抱く。
だが、著者である安吾は、堕落こそが救いと説いている。


終戦後、我々はあらゆる自由を許されたが、人はあらゆる自由を許されたとき、
自らの不可解な限定とその不自由さに気づくだろう。人間は永遠に自由では
ありえない。なぜなら人間は生きており、また、死なねばならず、そして人間は
考えるからだ。政治上の改革は一日にして行われるが、人間の変化はそうは行かない。
遠くギリシャに発見され確立の一歩を踏み出した人性が、今日、どれほど変化を
示しているであろうか。
人間。戦争がどんなすさまじい破壊と運命をもって向かうにしても人間自体を
どう為しうるものでもない。戦争は終わった。特攻隊の勇士はすでに闇屋となり、
未亡人はすでに新たな面影によって胸をふくらませているではないか。
人間は変わりはしない。ただ人間へ戻ってきたのだ。人間は堕落する。義士も
聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことは
できない。人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な
近道はない。

(P19-20)


人間の、また人性の正しい姿とは何ぞや。欲するところを素直に欲し、
厭な物を厭だと言う、要はただそれだけのことだ。好きなものを好きだという、
好きな女を好きだという、大義名分だの、不義は御法度だの、義理人情という
ニセの着物をぬぎさり、赤裸々な心になろう、この赤裸々な姿を突きとめ
見つめることがまず人間の復活の第一条件だ。そこから自我と、そして人性の、
真実の誕生と、その発足が始められる。

(続堕落論、P29)







本書は、当時の世相へのアンチテーゼとして登場した書物といえる。
既成概念への批判というのは、とても勇気のいることだと思う。それを
彼はやってのけたのだ。そのことについての詳細は、ここでは触れない。


しかし、安吾が説くような、(人間の)人性の正しい姿を見せられないのが人間なのだ。
他人に対し、常に自分を偽らなければならない。この記事を書く私も例外ではない。

自分の何もかもを、白日のもとに晒すことなんて誰に出来るのだろうか。



本当は堕落したくても、堕落できないのが人間なのだ。
だから、生きている間は天国と地獄の境目たる現世に存在しているのかもしれないが、
それは少し次元の違う話となるか。





本書はほかに「青春論」と「恋愛論」が収録されているが、
とても面白い記述を「恋愛論」のなかに見つけた。


恋愛というものは常に一時の幻影で、必ず亡び、さめるものだ、
ということを知っている大人の心は不幸なものだ。

(P103)





私が知っているある人に、機会があればぜひ言ってやりたい言葉である(笑)
たしかに、恋愛は幻想であり、幻影であるかもしれない。かといって、それで
一蹴するべきものではないと思いたいのである。恋愛も人生の一部なのである。
そう考えたいのだ。安吾だって本に書き記しているし、そうに違いないのだ!!



しかし、恋は苦しいかな・・・。

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黒 紅 茶

Author:黒 紅 茶
どこかの田舎っぺです。
ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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