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「男と女」

クロード・ルルーシュ監督の「男と女」という映画を見た。
それについて思うところを記そうと思う。





あらすじ:

スクリプター(映画製作における記録係)を勤めるアンヌは、毎週日曜になると
寄宿学校に預けている子供を訪ねにドービルまで行く。ある日、娘と長く時間を
過ごしたために帰りの汽車を逃してしまう。そんな彼女を、ジャン・ルイという
男性が車でパリまで送る。彼も彼女と同じように子供を寄宿学校に預けていた。

車内で、アンヌは他人であるジャン・ルイに身の上話をする。
彼女にはスタントマンの夫がいた。アンヌとその夫はとても仲の良い
夫婦であったが、スタント中の事故で夫を失ってしまう。
アンヌの境遇を聞いたジャン・ルイは同情を禁じ得なかった。彼は
彼女をパリのアパルトメントの前で下ろすと、次の日曜に二人で寄宿学校に
行かないかと約束を取り付ける。

一週間後、ジャン・ルイはアンヌを乗せてドービルの寄宿学校へと向かう。
二人はお互いの子供を連れてレストランやクルージングを楽しむ。

その帰り道、アンヌはジャン・ルイのことについて尋ねた。
彼はレーサーで、常に危険と隣り合わせの人間であった。彼には妻がいた。
だが、その妻は彼がレース中の事故で瀕死の重傷を負うと、彼を愛していたがために
精神に変調をきたし、半狂乱の状態で自殺してしまった。アンヌは、自分と彼が
同じ境遇にいることを知る。そんなジャン・ルイは、一週間後にモンテカルロで
行われるレースに参加する予定でいた。

モンテカルロ・ラリーに出場したジャン・ルイ。アンヌはスクリプターの仕事を
しながら、ジャン・ルイの身を案じていた。そして、ラリーの最終日。彼女は
電報で愛を告白する。ラリーを無事終えたジャン・ルイはその電報に喜び、車で
6千キロ走り、アンヌが住むパリのアパルトメントへ向かう。だが、アンヌは
アパルトメントにいなかった。汽車でドービルに向かったあとだった。それを知ると、
ジャン・ルイは車でドービルへ。現地で再会する二人。

ホテルを借りて二人は愛し合った。だが、アンヌの心のなかには亡き夫の幻影が
存在していた。そのために、アンヌはジャン・ルイを受け入れることが出来ない。
二人は別々の手段でドービルから去ることにする。

アンヌの心変わりに困惑したジャン・ルイ。だが、彼女のことを諦めることができず、
パリの駅で彼女を待つことにした。汽車から降りたアンヌは、ジャン・ルイの姿を見つけ、
その胸に飛び込む……。












とくに山場といえるシーンもない、シンプルな映画。
悪くいってしまえば、凡庸な映画である。




物語は、愛する人を失った男女が結ばれるまでを描く。
今の恋愛映画のように、過剰なセックス描写や暴力、ドロドロの三角関係などは
まったく描かれない。「純愛」という言葉は、本作に定義するものなのかもしれない。
ゆったりとした気分で見られる映画だ。酒やタバコ、紅茶や珈琲をお供に楽しんでも
いい映画である。


さきほどシンプルと述べたように、巧妙なカメラワークや台詞の言い回しなどは
存在しない。だが、そのシンプルさが映像に抜群の安定感を生み出している。


全編にわたって流れる映像はどれも美しい。また、色の使い分けがとてもうまい。
台詞や解説抜きで登場人物の立ち位置をあらわしているところもよい。



セピアとフルカラーの使い分け――それが秀逸だった。


セピア(あるいはモノクロ?)が使われる場面は物語の主人公ふたりしか登場しない
場面がほとんどである。

主人公二人がそれぞれの過去を回想する場面では、過去の場面がフルカラーであるのに
対し、現在(二人がいる空間)はセピアとなっている。それは、二人が哀しい過去を
背負って生きていることを説明抜きで示している。

物語の終盤、ホテルで愛し合う場面はまさに過去と決別できない女性の心の葛藤である。
アヌーク・エーメ演じるアンヌは、ジャン・ルイに愛の電文(電報)を送ったにもかかわらず、
彼を愛することが出来ない。アンヌとジャン・ルイの愛はセピアで描かれ、アンヌとその亡き
夫との愛はフルカラーで描かれている。アンヌは「過去の人」なのである。


ふたりの別離がクライマックスであったならば、本作はとても悲しく救いのない物語だ。
だが、物語はふたりがパリの駅で抱き合うところをフィナーレとしている。
クライマックスの色はセピアカラー。それは、二人が過去を忘れられないことのみを
あらわしているのではない。過去を背負ったうえで新たな愛を育もうとしていることを
言葉ぬきであらわしているのだ。それは、傷を舐め合う道化芝居かもしれない。だが、
当人にとっては愛なのだ。二人は境遇が似ているからお互いを愛したのではない。
愛したいから愛するのだろう。でなければ、ジャン・ルイがパリ駅で待ち構えるなんて
ありえないことである――ありえないこと、普通では考えられないこと、それが
愛なのかもしれない。「純愛」とかいった言葉では決して定義することのできないものだ。


ギスギスしたものがない、温かい物語。
ひとりでじっくり見るのもいいし、友達や恋人と語らいながら見るのもいい。


男性にも女性にもお勧めしたい。
けれども、中学生や高校生には勧めにくい。大学生にも、やや難しいかもしれない。
それは本作が大人の恋物語だからだ。
(そんなことを言う私、黒紅茶は大学生だったりする・・・)

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ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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