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「ラスト・タンゴ・イン・パリ」

大学の友達に伝染されたのか、風邪をひいてしもた(苦笑)
明日からバイトを再開するというのに、鼻声で接客はきつい。。。

なんてことをのたまいながらもブログ記事を更新する気力だけは
たんと残してあったりして。。。。。


さて、紹介する作品は「ラスト・タンゴ・イン・パリ」。

監督はベルナルド・ベルトリッチ。
主演はマーロン・ブランドと、マリア・シュナイダー。

ブランドのほうは、「ゴッド・ファーザー」のヴィト・コルレオーネなどでも
知られる名優である。ちなみに公開年は「ゴッド~」「ラスト~」ともに
同じだったりする。その辺はあとで触れることにして、作品紹介に入る。






あらすじ:

ジャンヌという少女は、入居者募集のチラシを見て、あるアパルトメントの一室に
足を踏み入れた。だが、そこには中年男がいた。ジャンヌは、男も自分と同じように
部屋を探しているのではないか、と考える。そうこうするうちに電話が掛ってくる。
電話をとった男は、何を思ったのか、突然ジャンヌを抱きかかえ、性行為に入る。
行為が終わると、二人は何事もなかったかのように別れる。

ジャンヌは駅で婚約者のトムと再会する。二人をいきなり取り囲むカメラマンたち。
トムは、ドキュメンタリー作品を企画し、ジャンヌをその被写体(ヒロイン)と
したのである。困惑するジャンヌ。

男に襲われたアパルトメントの部屋を気に入ったジャンヌは部屋を借りることにした。
そして部屋には、彼女を襲ったあの男がいた。男はこの部屋を、名前も、過去も、今も、
すべてを忘れ、ただセックスだけを行う場所にしようとジャンヌに提案する。男の
独特の雰囲気に惹かれてか、ジャンヌは男の提案を受け入れる。それから二人は、
その部屋で野獣のように戯れる時間を送るようになる。

トムはジャンヌを様々な場所に連れて行き、撮影を行う。ジャンヌのことを詳しく
知りたがるトム。セックスだけを求め、ジャンヌのことを知りたがらない中年男。
ジャンヌは二重生活に快楽を感じながら一方で疲れてもいた。
演出か、それとも本音か。トムはジャンヌにプロポーズを行う。それをきっかけに、
ジャンヌは男との関係を断ち切ろうとする。

ジャンヌと性的関係を繰り返す謎の中年男。彼の正体は下町の簡易ホテルの経営者、ポール。
彼には妻がいたが、数日前に謎の自殺を遂げていた。以来、ポールは心を病んでいた。
ポールは妻の愛人だった男マルセルと話をするものの、妻の死の原因は誰にも分からないまま
であった。妻の存在を恋しく思うポール。そこにはアパルトメントの一室で見せる強引さは
なかった。ただ哀れな中年男でしかなかった。

中年男(ポール)との情事をやめることを誓ったジャンヌ。彼女は借りたアパルトメントを
トムとの新居にしようと考えていた。そんな彼女の前にポールが現れる。彼に連れられて
二人はとあるダンス・ホールを訪れる。酒に酔い知れながら、ポールはそれまで隠していた
自分の全てを曝け出す。ついに嫌気がさしたジャンヌは、男との決別を宣言するが、そんな
彼女をポールは執拗に追いかけてくる。

実家のアパルトメントに逃げ込んだジャンヌ。彼女を追い詰めるポール。
タンスの引出しから父親の遺品の軍用ピストルを取り出したジャンヌは、その銃でポールを
撃つ。ベランダで崩れ、絶命するポール。ジャンヌは、それまでの出来事を否定するように
うわごとを言い始める。彼女にとってポールは見知らぬ中年男であった……。









この作品を見るのは今回で二度目(高校二年ぐらいの頃にはじめて見た)だが、
いまだによく分からないところがある。


そう、本作はとても分かりにくい物語である。
大衆向けの作品というよりは、文学でいう純文学的なものなのである。
つまり、芸術重視の作品ということだ。



ロングショットの多用、詩のような台詞の数々、
アナルセックス描写(ウィキによれば、商業映画での表現ははじめてらしい!?)、


同時代の商業映画とは色合いがあまりに違うように思えるのは気のせいだろうか!?





本編開始から15分足らずでのセックスシーン。
雑誌による紹介やインターネット記事などによっては主人公であるジャンヌが強姦された
かのような記述があるが、そうではない。抵抗という抵抗を見せぬまま、彼女は中年男に
身をゆだね、何事もなかったかのように別れるのだ。

いきなり意味不明のシーンである!


なぜ、ジャンヌは見ず知らずの中年男とセックスをしたのか?
考えられる理由は二つだ。

ひとつめは恐怖心。

いきなり自分を抱きしめる男に恐れ、その恐れゆえに悲鳴や抵抗をあげることができなかった
と言う風に考えることもできる。


ふたつめは気まぐれ。

抵抗する理由がなかったから男に身をゆだねたともいえる。
あるいは、婚約者であるトムと倦怠期に入っていたから…とも考えられる。



だが、どのような理由にしても、釈然としないのだ。
そして、物語は釈然としないままに進行していく。
ジャンヌに提案という名目の命令を行う中年男ポール。映画を見る観客(視聴者)すらも
それに反駁することができない。そして、ポールとジャンヌの密会が行われるようになる。

一方で、トムはドキュメンタリー映像をつくるためにジャンヌに演技をさせる。
カメラの前で愛を語るトム。だが、それが心の底から出たものなのか、ドラマ作りのための
演出なのかは分からない。

アパルトメントでの密会も、ドキュメンタリー映像の撮影も、
どちらも物語における「虚構」である。幻想空間だ。わりと清楚な雰囲気をもつジャンヌは、
そのふたつの幻想空間を行き来することになる。どちらがホンモノなのかは、彼女にすら
分からない。前者はセックスを象徴し、後者は愛を。そのどちらも、ジャンヌには
必要な要素なのである。

この幻想空間は、やがて現実へと変化する。アパルトメントでの情事は終わり、
残ったのは異様な中年男の存在。一方、トムはジャンヌに対し求婚し、彼女が借りた
アパルトメントを新しい生活の拠点として検討し始めている。
ジャンヌは迷うことなく後者を選んだ。

ポールは幻想空間の住人だからこそ魅力的な人間であった。そのメッキが崩れた途端、
彼が抱える哀愁が露呈したのだ。それは若い女性には不必要な要素であった。ゆえに
ジャンヌはポールを拒絶し、最終的には正当防衛という形で射殺するに至った。


ポールは妻を失った悲しみに耐えられなかった。そんな彼は、背徳の世界に
身をゆだねることで現実逃避をしようとしていたのであろう。ジャンヌはポールに
とって肉の玩具に過ぎなかった。だが、その存在が大きくなるにつれて、また同時に
ポールの精神の病み具合が加速するにつれて、バランスが崩れてしまったのだ。
いわば彼は沈む難破船の船長だったわけだ。






本作はその大胆なセックス描写が問題になったが、物語の本質は「哀愁」である。
物語の途中からポールは自殺願望を持つように至る。彼は死を願ったのだ。
ジャンヌは、その願いをかなえるかのごとく、ピストルの引き金を引いた。
それはジャンヌによる、ポールへの拒絶のサインと捉えることもできる。
ポールは見捨てられ、死んだのだ。だが、それは彼の願望の達成でもあるわけだ。
彼はジャンヌに捨てられはしたが、「死にたい」という願いは叶ったのである。
しかし、それは決して「幸せ」とはいえない。
あまりに悲しい幕引きである。

だが、ポールの死に対して、観客(視聴者)は涙を流すことはないだろう。
物語は、観客(視聴者)のリードを放棄し突っ走っているのだ。最後の展開も、
よく整理しながら見ないと、何がなんだか分からないのだ。





何かの本で読んだことがある。
物語には「発見(獲得)」と「喪失」の要素のどちらかが物語の根幹にあると。


「発見」は基本的にハッピーエンド。
「喪失」はバッドエンドである(例:「セブン」のラストシーンはその典型)。


では、本作はどちらの要素が存在する物語かというと、
そのどちらの要素もあるようでない。

ジャンヌはポールを射殺したが、彼女には罪悪感も悲しみも、解放感も何もない。
彼女は何事もなかったかのようにしようとしている。それで物語は終わる。
ジャンヌにとっては、この映画における物語は、夢が醒め現実があらわれるまでの
過程(プロセス)に過ぎないのだろう。







ファンタジーではないが、本作はとても幻想的な物語である。
その本作について、少し余談を入れたいと思う。



主演のマーロン・ブランド。
彼は「ゴッド~」の主人公ヴィト・コルレオーネを演じ、アカデミー賞にも
ノミネートされている(受賞は決まったが、受賞拒否を選んだ!?)名優。
若い頃はアイドル的な活躍をしていたというが、映画出演へのこだわりようや
金銭的なトラブルなどもあって、人気が低迷する。その挽回のための作品が
本作と「ゴッド~」だったのである。「ゴッド~」におけるヴィトは、
時間を追うごとに老いて疲れが目立ち、最後には畑であっけなく死んでいく。
「ラスト~」では精神を病んだ哀愁漂う中年男を演じている。そのどちらも、
当時のマーロン・ブランドの状況を半ば投影したもののように感じられる。


「ラスト~」も「ゴッド~」も批評家たちから高い評価を受けたが、
ブランド本人にとってはマイナスであった。とくに「ラスト~」はその描写が
問題となって裁判沙汰が起きたらしい。また、この当時ブランドは元妻との
裁判中で、本作での演技が非難され、親権を剥奪されたそうな。
その後、ブランドは「スーパーマン」などの作品にも出演するが、
扱いにくい俳優として映画への出演回数は下降することに……。

愛らしい表情を持ちならがも胸やヘアを惜しみなく露出した相手役のマリア・シュナイダー。
その大胆な演技はブランドとともに評価されたが、女優としてのキャリアには
マイナスだったとか……。










長々と書いてしまったが、結論。


決して楽しい映画ではない!

芸術に興味がある人間にはお勧めだが……。



ということでどうでしょう?

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どこかの田舎っぺです。
ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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