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「赤と黒」

水曜日からずっと、スタンダールの「赤と黒」を読んでいたが、
ついさっき読み終えた。30以上前に出された講談社版の文庫本で、
翻訳は「野火」や「レイテ戦記」で知られる大岡昇平。

ネットで検索をかけて知ったのだが、韓国のドラマに同名のタイトルがあるらしい。
けれども、ここで紹介する作品はそんなワケのわからんものではないのであしからず。

さて、前口上はこのくらいにして早速、作品の紹介に入りたい。。。





あらすじ:

ナポレオンによる帝政が崩壊して王政復古の世を取り戻したフランス。
貧しい木こりの家に生まれた青年ジュリアン・ソレルは、ナポレオンを崇拝しており、
彼のように軍人として立身出世することを夢見ていたが、時代はそれを許さなかった。
あるとき、彼は明晰な頭脳を買われ、地元の町長レナールに家庭教師として雇われる。



ジュリアンの優秀さは早くも認められ、レナールの三人の子供を教育してゆく。
裕福な人間をひそかに軽蔑し、彼らを出し抜いて大きく世に出たいという野心を
秘めていたジュリアン。そんな彼は、子供の母親で町長の妻であるレナール夫人と
たちまち恋に落ちる。ジュリアンは彼女と彼女の子供らに愛されていた。だが、
彼を慕う女中の嫉妬によってジュリアンと夫人との関係が町長に疑われるようになる。
夫人は機転をきかせて、醜聞が町長と敵対するヴァルノによるものとうそぶき、さらに
ジュリアンをお役御免にするよう説得する。すべてはジュリアンのためであった。
だが、ジュリアンと夫人との関係は、ジュリアンの恩師であるシュラン司祭にまで
知られることになる。シュランは、神学校に行くようジュリアンに言う。
同じ頃、ジュリアンの旧知であるフーケは、彼の才能を見込み、仕事のパートナーに
引き抜こうとしていた。悪くない誘いであったものの、出世を志すジュリアンは断る。
ジュリアンはレナールの屋敷を出て、神学校に入ることを決意する。その旅立ちの前、
彼は夫人から愛の証として髪の毛をさずかる。悲しみを胸に二人は離れる。

神学校に入ったジュリアン。校長であるピラール神父は、シュラン司祭と旧知の間柄であった。
僧侶として出世することを決めたジュリアンは、ピラールに告解師を頼み、彼に師事するが、
神学校で行われている権力闘争では、次期校長になると思われるカスタネードとその派閥が
優位にあった。ジュリアンは才知を惜しみなく披露し、神学校で高い成績を得るが、同時に
周囲の反感を買っていた。権力闘争によってピラールは学校を去る。彼は、ジュリアンを
孤立させまいと大貴族であるラ・モール侯爵の秘書に推薦させる。

遠くへ旅立とうとするジュリアンは、ふとレナール夫人に会いたくなり、
彼女が住む屋敷へ忍び込む。レナール夫人はジュリアンとの不倫で心傷つき、
教会に通い続けていた。夫人はやってきたジュリアンをはじめ拒絶するも、
秘めていた彼への思いに耐えきれず、迎え入れてしまう。密会を果たしたジュリアンは、
パリへと向かう。

神学校を離れたジュリアンはパリのラ・モール家に仕える。
ジュリアンの優秀さは社交界に知られるになり、フランスの政治劇の裏側を
見ることになる。そんな彼は、ラ・モール家の令嬢マチルドに興味をおぼえる。
高慢な性格のマチルドは、高い身分の家柄でありながら社交界の人間とはどこか違う雰囲気を
持ち、ロマン主義的な面もあった。周囲の人間の話によれば、彼女はある悲劇を経験した
貴族の生まれ変わりだという。シンパシーを感じたジュリアンは、彼女と暇を作っては
逢引していたが、マチルドの性格にジュリアンは振り回されてしまう。彼は野心のために
マチルドを征服しようと決心する。高慢なマチルドはジュリアンの冷たい態度の数々に
耐えられなくなり、ジュリアンへの服従を誓う。

野心を秘めていたジュリアンであったが、マチルドとの熱愛の前に野心は消え去り、
彼女との幸せを求めるようになる。やがてマチルドは妊娠する。その事実を知った侯爵は
怒る。彼は娘を他の貴族の男と結婚させようと考えていたのだ。だが、侯爵は心折れ、
二人の結婚を許し、ジュリアンに貴族の身分を渡す。

美女と高い身分を手に入れたジュリアン。だが、彼の身を脅かす事態が訪れる。
なんと、侯爵が結婚の許可を取り消したのだ。原因は、彼のもとに届いた手紙であった。
手紙はレナール夫人によるもので、手紙には、ジュリアンが女性を籠絡させて高い地位を
狙ってあるという趣旨が記されていた。ジュリアンは夫人の裏切りに怒り、彼女を射殺しようと
する。レナール夫人は一命をとりとめるが、ジュリアンは殺人未遂で逮捕され、
裁判にかけられる。

卑しい身分の出であるジュリアンを、中流階級の人間で構成される裁判官が裁く。
夫人を銃撃したことに後悔し、マチルドの地位を転落させてしまったことに恥じたジュリアンは、
死を求めるようになる。一方、ジュリアンを溺愛するマチルドは、様々な手段を講じて彼を
救おうとするが、ジュリアンは延命を拒む。彼は裁判の舞台に立ち、高い身分の人間を
相手に弁舌をふるったことにある種の名誉と達成感を感じていた。聴衆は同情するが、
死刑は免れられぬ運命であった。

死を待つ彼のもとに、なんとレナール夫人があらわれる。夫人は、司祭に言われるまま手紙を
書き、ジュリアンを結果的に破滅に追い込んでしまったことに罪悪感を感じ、謝罪する。
ジュリアンと夫人はたがいに許し合い、その愛を分かち合う。マチルドは、ジュリアンの心に
レナール夫人があることを見抜き、嫉妬に狂うが、彼女には手の打ちようもなかった。

ジュリアンは夫人に自殺しないよう言い残し、断頭台の露に消える。だが、レナール夫人は
彼の死の三日後に息絶えてしまう。未亡人となったマチルドは、ジュリアンの生首に接吻し、
人知れず供養する。そうすることで、彼女はジュリアンを独占したつもりなのだろうか……。







全723ページの文庫本はとても重かった。。。


それが読後の感想であった。




本作は、ひとりの野心高き青年が恋におぼれ、社交界の陰謀に翻弄された末に
破滅するまでを描いた物語である。後半である第二部には政治小説を匂わせる
内容が含まれているが、それらはお飾りに過ぎない。愛の物語が本筋である。


レナール夫人との愛も、マチルド嬢との愛も、そのどちらも野心を達成するための
ものであった。だが、それはやがて「愛」へと結実するのだ。彼の野心は愛の前に
なくなり、純粋な人間として女性との愛欲に溺れてゆく。

彼の複雑な性格のルーツは、ごく最初に描かれている。
ジュリアンは貧しい家の三男であった。木こりの家の子でありながら、労働向きではない
この物語の主人公は一家の厄介者であった。ゆえに父親から愛をそそがれることはなかった。
彼は愛を知らぬまま、ナポレオン崇拝を心の糧に成長してきたのである。

彼は立身出世を求めていた。だが、それは実は虚像に過ぎない。本当の彼は、
純粋なる愛が欲しかったのではないだろうか? だから、彼はレナール夫人の愛に、
マチルド嬢の愛に溺れ、やがて破滅していくのだ。



あらすじだけをみると、本作はただのロマン主義的貴族文学という風に思われるだろうが、
人物描写は社会背景の造形は優れており、フランス・リアリズム文学の先がけと称されるのも
当然というふうに思える。

が、しょうじき後半である第二部は、人物描写がネチネチしていている感があり、
ダラケてくる。それに、第一部において後半の展開(=主人公の転落)を示唆する
記述があり、終盤の流れが想像できるために、一部ほどの迫力がなかった。。。
本作が雑誌などの連載作品であったなら、一定の緊張感を持って読めただろうと思う。
それでも、「罪と罰」と比べるととても大衆的で、入り込める作品なので、
古典文学という枠組みではなく、たんなる娯楽作品として十分読み楽しめる。











さて、ここからは少し世界史の勉強に入りたいとおもう。



物語の舞台は王政復古の世。


18世紀初頭、フランスではフランス革命がおこり、ブルボン王朝は崩壊。
ルイ16世とマリー・アントワネットは処刑され、共和制が興った。



自由・平等・友愛をスローガン(現在も残る三色旗のテーマ)として共和制だが、
ロベスピエール率いるジャコバン派による恐怖政治は当初の思想から逸脱し、
人々は多くの不満を覚える。



そして、ひとりの男が台頭することになる――ナポレオン・ボナパルト




国民投票を得て皇帝の座についたナポレオンによって共和制は終焉を迎え、
帝政(第一帝政)が開始される。



政治において、また軍事面において優れていたナポレオン主導のもと、
フランスは大きく躍進するが、ロシア(当時のロマノフ王朝)遠征に失敗して以後、
敗北が続き、失脚する。ここぞとばかりに貴族たちはフランスでの返り咲きを狙うも、
国民に受け入れられず、再びナポレオンが天下を握る。


だが、「ワーテルローの戦い」で完全に失脚し、セントヘレナ島へ島流しとなる。




かくて、第一帝政は崩壊し、貴族による王政復古の世となった。
(しかし、この世もナポレオン三世の台頭によって後に終わりを迎える)










王政復古の世では、ジャコバン派やナポレオンの思想・それらに関する発言は
危険思想と見なされていた。その時代において、ナポレオンを崇拝するジュリアンは
まさに異端児だったのである。


彼が転落し、死の運命をたどったのは、彼の才気によるところより、彼の生まれに
よるものが大きいのではないかと考える。劇中の独白でも描写されていたとおり、
ジュリアンはナポレオンの全盛期に生まれるべき若者だったのだ。





「出る杭は打たれる」ということわざがあるが、これは
万国共通のものなのかもしれない。











それにしても、男からみて、ジュリアンほど羨ましい男はいないと思うのだが。。。
彼のように女性とロマンスを繰り広げるのもいいな~と憧れる黒紅茶であったとさ(笑)
…でも、生首に接吻するようなヤンデレ女とは付き合いとうないな。
まぁ、そういうのはモテナイ男のヒガミというべきかな


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ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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