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「ノルウェイの森」

先に断っておくが、
わたしは村上春樹が好きではない。

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」が最初に読んだ作品だが、

もう、
こいつの作品なんか二度と読むか!!!


と一人で勝手にキレてしまった。

それから約三年が経ち。。。




どういうわけか気分で、古本屋に置いてた「ノルウェイの森」を買っちまった。

大学の行きと帰りで上下巻を一気に読み終えたので、それについて感想を記そうと思う。







あらすじ:

三十七歳のワタナベトオルを乗せた飛行機はハンブルク空港に到着した。
その飛行機のスピーカーから聞こえてくる「ノルウェイの森」という曲を耳にし、
トオルは直子という女性と過ごした時間、1969年の時を思い起こす。
トオルは故郷を離れ、東京の私立大学に通い演劇を勉強していた。
時代は学生運動真っ只中で、トオルの下宿先の寮は右翼的なカラーを持っていた。
彼はそこで“突撃隊”と呼ばれる生真面目な学生と、エリートでプレイボーイの永沢という
上級生らと知り合う。だが、大学でのトオルは孤独で、話し相手などほとんどいなかった。

彼は高校時代の親友キズキの恋人であった直子と再会する。彼女は武蔵野のある
女子大学に進学していた。トオルは彼女と何度か出掛けるようになる。

直子の恋人であり、トオルの唯一無二の親友キズキは、17歳のときに自殺をした。
遺書もなく、理由も全く分からない自殺であり、直子とトオルは死んだ彼のことについて
ずっと触れないでいた。ある夜、トオルは直子の誕生日を彼女のアパートで祝った。
会話の弾む二人であったが、直子は急に泣き出してしまう。トオルは彼女を落ち着かせるべく
抱き寄せ、そしてセックスを行う――直子は処女であった。トオルはその事実に驚き、
つい自殺したキズキの名前を出してしまう。途端、直子は取り乱す。翌日、寮に戻った
トオルであったが、それ以来、直子とは連絡が取れなくなった。彼女は大学を休学し、
アパートを引き払い横浜へ引っ越したのであった。

トオルは直子の引越し先に手紙を送るが、返事は来ない。複雑な思いのトオルは、
同じ学部に通う小林緑という女子と交流を持つようになる。活発な性格の緑は、何度も
トオルにアプローチをかけるも、トオルの心は直子にあった。直子がいなくなるまで、
トオルは永沢に付き添う形で女遊びを何度も経験していたが、直子がいなくなってからずっと
誰ともセックスを行っていなかった。

複雑な思いを募らせていくトオル。そんな彼を驚かせる出来事があった――実家に戻ったはずの
“突撃隊”が急に退寮し、消息不明となったのだ。トオルの孤独感は強まるばかり。そんなとき、
直子から手紙が来る。その手紙によると、直子は“阿美寮”という療養施設にいるという。
トオルは都合をつけて、直子のいる施設に向かう。そこでトオルはレイコという女性と出会う。
彼女はピアニストをめざしていたが挫折し、さらにある出来事で精神的に参り、家庭を失って
しまい、施設に住むようになった。いらい彼女は音楽の先生のような役割を担い、直子らと
接しているという。トオルはレイコに付き添われる形で直子と再会する。レイコは彼女の
リクエストで、ビートルズの「ノルウェイの森」の弾き語りを行う。それは彼女にとって
特別な歌であった。トオルは東京での日々を忘れ、直子とレイコと時を過ごしていく。
夜、部屋で眠ろうとするトオルの前に直子があらわれる。彼女は彼の前で急に全裸になる。
トオルは精神的な病気を抱えて憔悴しているはずの直子の、肉付きのよさに違和感を覚える。
レイコによると、直子はキズキが死んでからずっと心を病んでいたというのだ。トオルには、
直子の行動が分からなかった――彼にとって、それはとても幻想的な出来事であったのだ。

大学に戻ったトオルはしばらくの間、施設と大学での日々のどちらが“現実”なのか
判断がつかなかった。そんな彼の前に緑があらわれる。トオルは彼女とともに彼女の父親が
いる病院に寄ることになる。緑の父は病によって死にかけていた。緑の父と二人きりになって
しまったトオルは、彼女の父からある頼まれごとをされるが、トオルにはその意味がわからなかった。
それから数日が経過し、父は息を引き取る。そして、緑は学校に顔を出さなくなった。

トオルは永沢と、その彼女のハツミとディナーを過ごす。ハツミは永沢のプレイボーイ的な素行に
苛立ち、彼と喧嘩をしてしまう。永沢の公務員試験合格を祝う集まりであったが、険悪な雰囲気の
まま終わりを告げてしまう。その間もトオルは、直子のことや緑のことを考えずにはいられなかった。

トオルは緑と再会する。だが、あることがきっかけでギクシャクした関係となってしまう。
緑は恋人と別れ、トオルに恋をするようになっていた。だが、トオルは彼女に振り向こうとはしない。
彼女とは友人として関係を続けたかったのだ。

緑との人間関係がうまくいかないなか、レイコから手紙が来る。
彼女によると、回復に向かっていたはずの直子の精神が不安定だという。
どうすればいいか分からなくなったトオルは、しだいに緑を愛するようになる。

1970年、八月のある日、直子は自殺した。
一度は回復したはずの彼女は、突然、何の前触れもなく生命を絶ったのだ。
その事実はトオルにとってあまりに重いものであった。彼は気持ちを整理するべく、大学を
休み、緑との連絡を絶って一ヶ月間の旅に出る。だが、旅から戻ってきても彼の心は晴れなかった。

大学に再び通うようになったトオルのもとに、レイコがやってくる。
彼女との邂逅によって、トオルは心に安らぎを得る。
そして、レイコと別れたトオルは、緑に公衆電話から連絡をする……。










う~ん、もっと簡潔にまとめられなくもないが、
とりあえず、あらすじについてはこういう風に書き記してみた。
ここからは読んで感じたことについて述べる。文学的な見方は学者の方々にお任せしよう(笑)








本作は一人の若者が大切な女性を喪失し、その喪失から立ち上がるまでを描く。
だが、けっして主人公であるトオルの心は癒されたわけではない。



彼は親友であるキズキが死んだときに、ある教訓をえる。

死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。
(講談社文庫・上巻:P54)

「エヴァンゲリオン」でもこれに類似した言葉があったが、作品の歴史は本作の方が古い。


トオルにとって、親友の死は耐えがたいものであったが、それ以上に直子の死は
耐えがたいものだったのだ。

「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるのだ」
 たしかにそれは真実であった。我々は生きることによって同時に死を育んでいるのだ。
しかしそれは我々が学ばねばならない真理の一部でしかなかった。直子の死が僕に教えて
くれたのはこういうことだった。どのような真理をもってしても愛するものを亡くした
哀しみを癒すことはできないのだ。どのような真理も、どのような誠実さも、どのような
強さも、どのような優しさも、その哀しみを癒すことはできないのだ。我々はその哀しみを
哀しみ抜いて、そこから何かを学びとることしかできないし、そしてその学びとった何かも、
次にやってくる予期せぬ哀しみに対しては何の役にも立たないのだ。

(下巻:P253)

直子を失ったトオルに向かって語りかけるレイコの言葉は救いである。

「あなたがもし直子の死に対して何か痛みのようなものを感じるのなら、あなたはその
痛みを残りの人生をとおしてずっと感じつづけなさい。そしてもし学べるものなら、
そこから何かを学びなさい。でもそれとは別に緑さんと二人で幸せになりなさい。
あなたの痛みは緑さんとは関係ないものなのよ。これ以上彼女を傷つけたりしたら、
もうとりかえしのつかないことになるわよ。だから辛いだろうけれど強くなりなさい。
もっと成長して大人になりなさい。私はあなたにそれを言うために寮を出てわざわざ
ここまで来たのよ。はるばるあんな棺桶みたいな電車に乗って」

(下巻:P281-282)


だが、こんなことを語りかけてくれる人間はいったいこの世の中にどれだけ居るだろうか?




トオルが愛するもうひとりの女性、

彼女の台詞で印象に残ったものがこれだ。

「ねえ、私にはわかっているのよ。私は庶民だから。革命が起きようが起きまいが、
庶民というのはロクでもないところでぼちぼち生きていくしかないんだってことが。
革命が何よ? そんなの役所の名前が変るだけじゃない。でもあの人たちにはそういうのが
何もわかってないのよ。あの下らない言葉ふりまわしている人たちには……(後略)」

(下巻:P69)



活発な女性として描かれる緑は、直子とは対照的である。
トオルの心はその二人の間で揺れ動く。物語のラストはトオルが緑に電話をかけるところで
終わるが、この時間軸というのがとても異質なものである。過去のもののようにも感じられるし、
三十七歳になったトオル(つまり物語でいう現在)と繋がっているような気もするのだ。

トオルと緑はどうなったのだろうか。。。








とても、やさしい物語だった。

それは読みやすいという意味でも、読後の感じ方においても。



とくに、先ほど引用したレイコの言葉は、とてもやさしいし、今の時代にこそ必要な
言葉とも思われるのだ。




東日本大震災によって日本に住む多くの人が何かを喪失した。
まだ、それから一年しか経っていない。「災後」と呼ばれるが、まだ、そういう言葉で
片付けられる状態ではない。生々しさというべきだろうか……傷は至る所に残っているのだ。
多くの人が死んだ。一方で生き残った人々がいる。その境界線が何かなんてわかったものではない。
ただ漠然と思う。生き残った人々はどう生きるべきか、この世界に存在すべきか。私たちは
あの震災から何を学んだのだろうか。また、後世に何を伝えるべきなのだろうか。どうして、
こんな世の中になってしまったのだろうか。どうして、こんな世の中でも生きなければ? と…。




そんなことを、少し考えさせられた。言葉として、マトモにまとまっていない。
だが、まとめようもないのだ。ただ思う事を羅列してみた。








物語の紹介とは逸脱した感は否めないが、ここでブログを終わりにしたいと思う。
明日は朝からバイトだし、眼が少し痛くなってきた。。。。。。

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ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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