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街場の大学論

就活と卒論、それからアルバイトなどの雑事に追われながら、
大学問題についてのエッセイを準備中だったりするわたくし黒紅茶。

内田樹の「街場の大学論」という本を読んだので、それの紹介に入りたい。




本の内容:

学生数の減少などが原因で経営悪化という事態に直面し、
最高学府としての立場を失いつつある大学教育。本書は論客であり、自身も
大学で長年働いている内田樹による教育再生論となっている。文庫本には
杉野剛(文科省国立大学法人支援課長)氏との対談も収録されている。




この本を読む以前から、私は今の大学の状況について疑問に感じていることがあった。
・・・といっても、私の場合は田舎者であるから、自分の大学やその近くの大学の状況しか
判らないので、かなり偏った見方となっている。


とりあえず疑問というか、腑に落ちないことを列挙してみる。


○キャリア支援の充実――という名目で学生を就職活動に駆り立てるキャリア支援センター
○就職実績の登場――それって専門学校のアピールポイントじゃねえ?
○事務員がやるような仕事をさせられる大学教授たち(自分の研究もできない忙しさ)
○大学なのに小・中・高のおさらいをやらなければならない教授&講師陣
○最高学府とかいわれたりするわりには環境が整っていないこと(施設、機械や資料含めて……)



最初の二項目はどれも就職活動に関することである。
就活についての問題については「就活生に甘える社会人」というブログに詳しい。
http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/


そしてこの二つをまとめた、私の疑問がこうである。


大学は就職するためのところなのだろうか?

大昔に書かれた大学論などを読むと、
「社会を動かすエリート育成のため」といった理由を大学の存在意義とするものが
いくつも存在する。“就職”なんて小さな目的のための大学教育ではないのだ。


そう、就職というものは「働く」ことの入口に過ぎない。
だのに、全国各地の就活生を見ると、どうだろうか???

入口に入るための努力というものは必要だが、過剰ともいえる状態である。
(マイナビやリクナビが主催する合同企業説明会に行けば、私が言いたいことがなんとなくわかるでしょう?)



別に私は就職活動を否定するつもりはない。
ただ、大学教育が就職のための「道具」になり下がっているような気がして、
それがいやなだけなのだ。



それもこれも、大学生の特権に問題があるようにも思われるが……そのことについては
いずれ長い記事で発表したい。





とまぁ、私の愚痴はともかくとして、大学生の就職活動について、本書の著者である内田氏は
こう述べている(自分のゼミをサボる学生への愚痴ともとれるが…とりあえず引用)。

 就職活動というものは、そんなにたいせつなものであろうか。繰り返し言っていることだが、
もう一度言わせて頂く。大学生である限り、就職活動は「時間通り」にやりなさい。
 諸君はまだ大学生である。いま、ここで果たすべく期待されている責務を放棄して、
「次のチャンス」を求めてふらふらさまよい出て行くようなタイプの人間を私たちは
社会人として「当てにする」ことができない。
 当然でしょ。いま、ここでの人間的信頼関係を築けない人間に、どうしてさらに高い
社会的な信認が必要とされる職業が提供されるはずがありましょうか。
 そんなこと、考えてみればわかるはずである。

(角川文庫版:P87)


この本をじっくり読めばわかるが、著者も就職活動というものを否定してはいない。
問題は学生が就職活動に熱中して、本業である学業を疎かにしてしまうことにあるのだ。






本書は、内田樹による、本来の目的を失いつつある大学教育への警鐘といえる。



大学の就職活動の問題というもの、氷山の一角に過ぎない。
彼は日本の教育が実利ばかりを求め、本来の学問としての価値が失われていると指摘する。
「『道具論的教育』が行われている」ともいえようか?



実利。
“市場原理主義”や“経済合理性”など……つまりは「金になるか?」ということだ。
「金にならない学問(教育機関=すなわち大学でありその他の学校)は不必要」という
ことでもあるわけだ。

金のために学問が蹂躙される。

この学問というのには芸術的なものも存在することを忘れてはならない。


お金。通貨はモノとモノとを交換する手段でしかなく、その価値というものは
実は低い(誇大妄想で高いように思わされているだけである)。にもかかわらず、
そのお金を得るための手段(=つまりは道具)として教育などが利用されているわけだ。

働くことに関してもそうだ。お金を手に入れるために私たちは働かざるをえないが、
本来は働くことそのものに大きな価値があった。労働は金銭の対価ではなく、ある種の
快楽であり、人間の生であったわけだ。それが市場経済の膨張とともに大きく歪み、
あらゆる行為が道具論的なものと化してしまったわけである。


道具論化する教育。


著者は教育の現状についてこう述べる。

 日本の教育は「金になるのか、ならないのか」を問うことだけがリアリズムだと
信じてきた「六歳児の大人」たちによって荒廃を続けている。どこまで日本を破壊すれば、
この趨勢はとどまるのであろうか。

(P95)

いま引用している本のもとのタイプ、つまりは単行本が発売されたのが2007年である。
そのときと比べ、いまの大学教育はどういう状況を迎えているか……いうまでもない。。。







教育には金(コスト)がかかる。だが、金なんてものは問題ではないのだ。
重要なことは、きちんとした教育というものが行えるか、それによって社会が
大きな恩恵を得られるか(もちろん学ぶ個人にも)ではないだろうか?
そして、この恩恵とは利益という意味だけではない。

最初の方で、著者はこう述べている。

いまの大学教育でいちばん言及されないことの一つが、
「学ぶことそれ自体がもたらす快楽」だということである。
(P43)







学問の楽しさについては孔子の言をまとめた「論語」の冒頭にこうある。





子曰、學而時習之、

不亦説乎、有朋自遠方来、

不亦楽乎、人不知而不慍、不亦君子乎


(「論語」岩波文庫版:P19)

現代語訳をすると以下のものとなる。

 先生がいわれた、「学んでは適当な時期におさらいする、いかにも
心嬉しいことだね〔そのたびに理解が深まって向上していうのだから。〕だれか
友だちが遠い所からたずねて来る、いかにも楽しいことだね。〔同じ道について
語りあえるから。〕人が分かってくれなくとも気にかけない、いかにも君子だね
〔凡人にはできないことだから。〕」

(「論語」岩波文庫版:P19-20)


学問とは、それを社会のために役立てることも大切だが、それを学び楽しむことに
こそ真の意義があるのかもしれない。


では、この記事を読むあなたにとって「教育」とは、「学問を学ぶ」とは
どういうことだろうか?????






 日本の教育は、原理主義的きれいごとをいくら言ってももう始まらないところまで
来ている。それだけの危機感を私は持っている。
 いまの状況では、「誰が日本の教育をこんなにしてしまったのか?」というような
他責的な構文で「犯人探し」をしてもしかたがない。だって、教育問題には被害者だけがいて、
加害者がいないからだ。「日本の教育をこんなにしたのは私です」という有責感を持っている
人間は文部科学省にも教師の中にもメディアにも保護者の中にも、どこにもいない。

(P10)


冒頭でそう述べたうえで、
大学教育再生への処方箋とは何か――著者は考えていく。

 繰り返し言う通り、「破綻の備え」の公共的に認知されている最優先課題は
学生の就学機会の保障である。教職員の雇用機会の保障ではない。教職員の
雇用機会の保障は誰もしてくれない。文科省もメディアも学生も保護者も地域社会の
みなさんも、誰一人「つぶれる大学の教職員の雇用」に配慮する気はない。そのことを
全日本の大学人諸氏にはぜひお覚え願いたいと思う。

(P97)

 大学は学生を教育するためにある。学生の学ぶ機会をどのように確保するか、
ということを何よりも優先的に考えるべきであろう。手弁当でもこの大学で優秀な
学生を相手に、本気の教育をしたいという人間だけが残ればいい。

(P108)






引用と解説(という名のブログ管理人による歪んだ解釈?)をするときりがない。
ただひとつ気になるのが、著者にとっての「教育」とはそもそもなにかということである。
その根源がないまま、「大学教育は~~」と述べている気がして仕方がない。


……と思いきや、なんと著者は「街場の教育論」なるものを出版してるではないか!!!








そのうち、その本も読んでみたいと思う。










てことで、いつもながらグダグダな文になってしもたが再見!

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ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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