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「ある微笑」

中古本屋でサガンの本をたくさん買ったので、これから
サガン作品をけっこう紹介することが増えるかもしれない。
というのはさておき、「愛と死」に続いて紹介する作品は
「ある微笑」

フワンソワーズ・サガンが「悲しみよ、こんにちは」の
次に書いた作品で、この作品によって彼女は一発屋ではないことを
世間に知らしめたわけであ~る。



あらすじ:

ソルボンヌ大学の女学生ドミニックには、級友のベルトランという
情人(言うなればボーイフレンド)がいた。二人はお互いの愛を
知っていたが、ドミニックは日々の生活に倦怠してきていた。
そんなときに彼女はベルトランの叔父リュックと、その妻である
フランソワーズと知り合うことになる。
憂鬱で孤独な雰囲気を背負うリュック。彼とは対照的に明るく社交的な
女性であるフランソワーズ。ドミニックは二人に気に入られる。ドミニックは
ベルトランとリュックの三人で出掛けるようになるが、そんななかでドミニックは
リュックに惹かれていく。彼が持つ雰囲気はドミニックの感性と一致するものであったのだ。

ドミニックはリュックに誘われ、彼と浮気をするようになる。リュックはドミニックに
魅力を感じていたが、彼は本気で彼女を愛そうとはしなかった。彼にとっては気晴らしなのだ。
一時的な恋愛(アヴァンチュール)であることを承知の上でリュックと密会を続けるドミニック。
二人はドミニックの大学休みを利用し、南仏カンヌに出かける。

何度も抱き合う二人。いつしかドミニックはベルトラン以上にリュックを愛するように
なってしまう。だが、それは結局のところ片想いのほかならなかった。

二人の関係はやがて周囲に知られてしまう。ドミニックはベルトランと別れることを
決心する。彼女はリュックの電話を、彼との密会を楽しみにするも、リュックは
ドミニックとの関係に未練がなく、元の他人同士に戻ろうとしていた。

二人の男を失ったドミニックは孤独であった。しかしどん底には沈まなかった。
不思議と浮かび上がる微笑。そんな彼女にある男から電話がかかる……。














最後に電話をかけてきた相手は誰か?
それは読んだ人の想像にまかせるとしよう。
にしても、物語の締めくくりかたがとても余韻の残るものであった。

本作は(純粋な)恋愛の喪失と、不倫の破局とが描かれる。
そして、主人公ドミニックは、この喪失と破局を迎えたことで
大人の女性へと転身していく。



ドミニックは、ふつうの女子大生である。
ふつうというのは、つまりはどこにでもいそうな女子大生ということである。
しかし彼女の内面は達観していた。周りの女子大生のたわいのない会話や
繰り返される日々(例えばベルトランとの交際)に飽き飽きしていた。


生きること……結局、それはできるだけ満足していられるように
工夫することだ。そして、それだけでも決して易しいことではないのだ。

(新潮文庫版:P12)

そういう心情の彼女は、20も年上のリュックとの情事に走った。
リュックへの魅力と、いままで体験したことのないものへ憧れからだ。そして、それは
やがて真剣な愛へと変わるが、リュックにとっては単なる情事であった。ゆえに彼は
妻であるフランソワーズのもとに戻るのだ。そしてフランソワーズも、ドミニックの
浮気にそれほど怒らなかったのだ。むしろ彼女はドミニックを「お気の毒に…」と
思ったほどである。





この物語、ドミニックのことを考えながら、私は「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の
ヒロインであるジャンヌ(演:マリア・シュナイダー)のことを思い浮かべた。
彼女がどうして見ず知らずの男トム(演:マーロン・ブランド)とのインモラルな
関係に至ったのかが、なんとなくわかった気がした。




ドミニックのラストの達観ぶりと、トムを射殺したジャンヌの独白。
そのふたつはどこか共通しているように思える。それは成長というものではない。
80年代の歌のように「大人の階段登る」わけでもない。大人の女性への変貌。
それは少女の頃に持っていた純真さ(というべきか…)の喪失ともとれる。

この物語の結末は、最初のいくつかの場面で暗示されている。ベルトランとの
破局も、“ベルトランは最初の情人だった”(P9)との言葉によって、どうなるのかが
想像できた。そして、物語の語り手が発する言葉によって、ドミニックが
物語以降、どのような生き方をするのかも想像できる。

それを悲劇的な生き方と断ずるつもりはない。
ただ思う事。それは「愛と死」の夏子とはあまりに対照的だということだ。
どちらも愛を求めて生きた。

では愛とは何なのだろうか。
どうして人は愛を求めるのだろうか?


愛というものが全然分からない私には答えられようのないものかもしれない。。。
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黒 紅 茶

Author:黒 紅 茶
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ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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