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「マドモアゼル」

2012年もあと1日で終わる。多くの人間が
年末年始を楽しく過ごす中、わたくし黒紅茶はずっと
アルバイト&卒業論文最後の仕上げをするのであります。
けどまぁ、映画だけは見続けたい。。。ということで今回は
「マドモアゼル」というフランスの古い映画を紹介したい。
監督の名前(トニー・リチャードソンという)は聞いたことないが、
この作品の脚本(というか原案)はけっこう有名な人である。
その人の名前はジャン・ジュネ。まぁ日本でいったら無頼派みたいな
作家というべきだろか…。フランス文学史でも有名どころだそう。



あらすじ:

フランスのとある田舎の村。
ここでは数週間前から放火や水門の破壊などの悪質な事件が多発していた。
村人たちは事件が起こるようになった頃、村にやってきたイタリア人たちを
疑うようになる。木こりのマヌーと、その一人息子のブルーノ、マヌーの
友人のアントーニオらは、村人から白目で見られる。事件が起きると必ず
マヌーは人助けをしようと現場に駆け付けるが、彼の好意を村人は不審に思う。
そんなマヌーに対して興味を抱く女性がいた。彼女はパリからやってきた
女教師で、“マドモアゼル”と呼ばれ尊敬されていた。だが彼女こそが
村で多発する事件の犯人であった。動機不明の犯行が繰り返され、
そのたび村人の憎悪はイタリア人らに向けられていく。彼らは
自分たちが尊敬するマドモアゼルを決して疑おうとはしない。

マドモアゼルが教える小学校の生徒であるブルーノは、あることから
事件の犯人がマドモアゼルであることを知るが、彼女に淡い恋心を抱く
ブルーノは失望と悲しみに苦しみながらも真実を語ることはなかった。

森にひとりで出掛けることの多いマドモアゼルは、自然とマヌーと
会うようになっていた。ある日のこと、マドモアゼルはついにマヌーを
誘惑する。ふたりは森の中で獣のように抱き合い、一夜を過ごす。そのころ
村では、家畜が毒入りの水を飲んで全滅する事件が起きていた。証拠はないが、
村人たちはその犯人をマヌーらイタリア人と決めつけ、自分たちの手で制裁を
加えようと考える。父の帰りを待ち続けるブルーノ。

翌朝。
マドモアゼルはボロボロのみなりのままマヌーと道で別れ、村に戻る。
彼女の姿を見た村人たちは、マヌーに強姦されたのではないかと心配する。
そしてあろうことか、マドモアゼルは村人らに「マヌーに暴行された」と
語ってしまう。何も知らぬまま村へ戻ってきたマヌーは、人気のない所で
村の男たちの手によって私刑を加えられてしまう。

マヌーの捜索は打ち切られ、ブルーノはアントーニオと村を離れることに。
同じ頃、マドモアゼルもパリに戻ろうとしていた。彼女を見送る村人たち。
車内で村人たちに手を振っていたマドモアゼルは、離れたところから自分を
冷たい目で見る少年の姿を捉えた――放火事件と父の行方不明の真実を知る
ブルーノは、マドモアゼルを睨みつつ、地面につばを吐いて立ち去る……。







黒衣のマドモアゼル(演:ジャンヌ・モロー)は何食わぬ顔で水門を破り、
帰る途中の原っぱで見つけた鳥の巣から小さな卵をひろい、それを片手で握りつぶす。
きれいな花が咲く木を折り、家に帰ると犯行時に身に着けていたハイヒールを隠す。
決壊した水門から放たれた水は家畜小屋を水浸しにしてしまう。。。
これが本作の冒頭だ。淡々と描かれるが、とても恐ろしいシークエンスである。
そしてこれを皮切りに、小さな村で起きる奇怪な物語が幕をあける。

動機不明の犯行。
少年ブルーノが見せる愛憎……。本作はじつに後味の悪い映画だ。
また登場人物の心理などが非常にわかりづらくもある。ということで、
本作が作られた社会状況などを踏まえながら映画の主人公・マドモアゼルの
犯行の背景にあるものを探ってみたい。

映画公開は1966年。東西冷戦の真っただ中で、フランス国内では
学生運動などの過激な盛り上がりがあった。だが、本作にはそういう
社会状況は反映されていない。映画の世界は小さな村のみなのだ。
村人たちは他所者であるイタリア人を軽蔑し、彼らを犯人扱いする。
そこには“村”というものがもつ“閉鎖性”も存在しようが、それだけとも思えない。
思えばこの映画が公開される20数年前、フランスは第二次世界大戦の戦火に
飲まれていた。「シェルブールの雨傘」の舞台として知られる港町シェルブールも、
ナチス・ドイツによって支配されていた。イタリアはファシムズ国家としてドイツと
ともにヨーロッパに戦火をもたらしていた。。。つまり、何が言いたいのか?
恐らく村人たちはイタリア人を他所者であると同時に、かつての戦争の加害者として
恐れ嫌っていたのではないか?


また社会状況とは別に、イタリア人が村人たちから快く思われない理由も
示唆されている。それは木こりのマヌーの女癖だ。彼は妻を失って以来、息子と
友人を連れてあちこちを転々している模様。そんなマヌーは友人との会話で、
「女に迫られたら断れない」旨を語っている。私たちはイタリア人に対して
どういうわけか“プレイボーイ”の要素を感じることが多い。
本作のマヌーは
その先入観(ステレオタイプ)の典型的な人物ともいえる。村の女性たちはマヌーに
好意を持つが、村の男たちはそんな彼をどうしても好きにはなれない。むしろ
自分たちの女を奪うかもしれない彼の存在を疎ましく思える。それがラストの
あの残酷かつ不条理なラストシーンへと繋がるのだ。



マヌー(演:エットレ・マンニ)を死に追いやったマドモアゼル。
なぜ彼女はあのような犯行を行うようになったのか。その理由について、
ヒントといえるシーンはいくつもあるが、明確なものはない。
ただマヌーというイタリア人の木こりに対して複雑な感情を抱いていたことは確かだ。


犯行に至る動機として考えられるのは……。

1)憩いの場である森の木を切り落とすマヌーへの怒り
2)他の女に手を出し、自分を見向きもしないマヌーへの嫉妬心
3)たんなる衝動



まぁ、どれが正しい答えとしても、私は彼女に感情移入することはできない。
3番目に考えた動機についていうと、彼女は周到な準備をしたうえで犯行を
行いながらも、その犯行の成功に陶酔するそぶりを見せない。文字通り、
「淡々と」そして「呼吸する」ように犯行を繰り返している。見ていてゾっとする。

あのような犯行に及んだ彼女の精神の奥には一体なにがあるのか?

村人はこういう陰口を叩く。
「パリでは普通の女でも、この村では美人だ」というような。そう、彼女は
都会において平凡な女に過ぎなかった。だが映画の舞台となる村において彼女は
“マドモアゼル”と呼ばれ尊敬されている。それは「神格化」というほどの大きさは
ないが、どちらにしても過剰評価といえよう。その過剰評価がマドモアゼルにあのような
犯行を行わせる素地になったとも考えられる。

マドモアゼルはひょんなことからマヌーの息子ブルーノを学校に通わせるようになる。
彼女の優しさに少年は惹かれるが、すぐにマドモアゼルの態度は豹変する。その感情の変化の
あいまに見られるのは、マヌーが村の女に手を出そうとする場面。おそらく彼女がブルーノに
近づいたのは、マヌーに近づくためではなかっただろうか? 母のいないブルーノは彼女を
母のように思い、またひとりの女性として惚れるが、やがて彼女の本性に気付き悲しむ。
それは裏切りである。その怒りの感情でブルーノはウサギを残虐な手段で殺してしまう。
彼はマドモアゼルが事件の犯人であることを知るが、警察に告げることはなかった。
それはマドモアゼルへの愛憎によるものか、村人への不信感からか。

マドモアゼルはやがて念願(?)の相手であるマヌーと森で抱き合う。
お互いの服がボロボロになるまで激しく抱き合う場面は、彼女にとって
カタルシス的意味を持っていたのではないか――つまり、これまで抱えていた
感情の解放
だ。そして、それを得た後の彼女にはマヌーの存在は空き缶のようなものだった。
だから彼女は村人の質問に対して適当に答え、そしてマヌーは袋叩きに遭ってしまうのだ。
「レイプされた女性」という烙印を押された(というか、それを選択した)彼女は
村を出て行くが、そんな彼女を見るブルーノ少年の眼光は鋭く、そして冷たい。

少年は自らの心父親をマドモアゼルによって奪われた。
その喪失の感情が“地面に唾を吐く”という行為によってあらわれているのだ。これは
たんにマドモアゼルだけに向けられたものではない。自分たちを迫害する村という
コミュニティへの反発にもみえる。少年はこれからどう生きるのだろうか……?


「レ・ミゼラブル」を観終えたあとに観るべき映画ではなかった。つか、
年の終わりにこういう映画をみてどうするのだろうかね・・・私は(笑)
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どこかの田舎っぺです。
ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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