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「東京物語」

師走はとっくの昔に過ぎたというのに、いまだに
忙しい日々が続く、当ブログ管理人たる黒紅茶。
前回から引き続き、白黒の映画を紹介したいと思う。今回の作品は、
日本を代表する映画監督、小津安二郎の「東京物語」。
今度公開される、山田洋次監督の最新作「東京家族」は、これから
紹介する作品のオマージュであるそうだ。



あらすじ:

太平洋戦争から8年後の日本。
老夫婦、平山周吉とその妻・とみ。二人は東京で暮らす長男と長女に
会うため、故郷の尾道から特急列車で東京へと向かった。二人は
長男・幸一の家に泊ることにし、そこで長女の志げとも再会を果たす。
子供と孫たちの姿を見られたことにはじめは喜ぶ周吉ととみ。だが、
仕事が多忙なため、幸一も志げも親の相手をすることができず、それどころか
いつ帰るのかと陰でぼやいてもいた。幸一と志げは、死んだ次男の妻である
紀子に、自分たちに代わって両親に東京案内をするよう頼む。

夫を失って8年近くが経とうとするのに再婚する気のない紀子。
彼女は周吉・とみ夫妻に再会できたことを喜び、すすんで彼らに
東京案内を行う。それが終わって幸一の家に戻った二人に対し、
幸一と志げは、熱海旅行を持ちかけてくる。周吉ととみは、
熱海の旅館に泊まるが、そこは若者向けの旅館で、ろくに休むことも
できず、かえって妻・とみは体調を悪くしたほどであった。熱海から
戻った二人は、自分たちが子供たちに歓迎されていないことを悟り、
息子夫婦の家を出る。とみは紀子を頼り、周吉は旧友に会うために
東京の街を歩いた。

紀子の家にひと晩泊ることとなったとみ。実の子供よりも自分たちを
大切にしてくれる紀子の優しさに感動した彼女は、次男のことを忘れ、
新しい男を見つけるよう紀子に声をかける。一方、旧友と再会を
果たした周吉は、本音をぶちまけるほど泥酔し、やがて志げの家に
引き取られ、顰蹙を買うこととなる。

ふしぎなひと晩を過ごした周吉ととみはついに故郷へ戻ることとなった。
だが数日後、悲劇が起きる。東京では元気にふるまっていたはずのとみが、
危篤状態に陥ってしまったのだ。東京にいる長男・長女、そして大阪で
働く三男の敬三、亡き次男の妻・紀子らは尾道の実家に集うが、ほどなくして
とみは帰らぬ人となる。はじめ子供らは母親の死に嘆き悲しむが、その感情は
すぐに消え去り、葬儀の支度や形見をもらいたいなど、不謹慎ともいえる
言動を行う。葬儀が終わると幸一も志げも敬三も足早に実家を去り、家に
残ったのは周吉と次女で独身の京子、そして紀子だけだった。

京子は兄・姉たちの冷淡さに憤慨するが、紀子はあえて彼らをかばい、そして
次女の京子を諭した。やがて紀子も仕事の都合から実家を去る日が訪れる。
別れの日、周吉は紀子に感謝の気持ちを伝える。一方、紀子は夫を亡くしてからの
心の葛藤を義父である周吉に告白する。お互いの想いを伝え終えると、周吉は
とみの形見である懐中時計を紀子に渡す。紀子は汽車に乗って尾道を去る……。












温かい人間ドラマを期待する人間は決してみるべきではない。
本作で描かれる人間模様は今日の社会においても
問題とされるものであり、
じつに残酷である!




成長した子供たちに会うため上京した老夫婦。
ところが子供らはせっかくやってきた両親を快く思わない。
「早く帰ってくれ!」と内心では思い、やがて死んだ弟の嫁に面倒を
見させようとする。その嫁=未亡人たる紀子(演:原節子)は
老夫婦の実の子供らよりも老夫婦に心から優しくあろうとする。

老夫婦は節子の優しさに感謝しながら、どうしても子供らの冷たい
態度について思うほかない。そして訪れる悲劇。だが、残された夫の
周吉(演:笠智衆)は嘆くことなく、妻・とみ(演:東山千栄子)の
死を淡々と受け入れる。老夫婦にとって死は時間の問題であった。
東京にわざわざやってきたのは、心残りを少なくするためなのだ。

そんな親の気持ちなど知らないか、子供らの対応は実にひどい。
母が死ぬ前から喪服を準備していた長女(演:杉村春子)と長男(演:山村聰)。
長女・志げの方は、
「どうしてお父さんじゃなく、お母さんが死んだの!?」

とまで言う始末。
そんなことを平然と言ったあとで、「母さんの形見、あたしに頂戴」と!


はたして、彼らは本当に平山家の子供なのだろうか・・・。

「渡る世間は鬼ばかり」のようなギスギスした雰囲気はないが、
子供らの台詞のふしぶしにはトゲが感じられた。



私たち(とくに若い世代は)「ALWAYS」や「佐賀のがばいばあちゃん」などの
おかげで、昭和の時代の家族観というものに良い幻想を抱くことが多いが、
「東京物語」はそんな幻想を破壊する。今から50年以上前の映画だというのに、
この映画で描かれる人間は、今日の社会における人間模様と変わりがないのだ。


紀子の献身に胸を打たれなくもないが、私はずっと平山家の子供たちの
言動に注目せざるをえなかった。彼らは父・周吉が死んだときもああいう態度なのか・・・。




ストーリーテリングについては見事としかいいようがない。だが、この作品の
良いところはそれだけではない。演出(例:饅頭を食べる場面)、カメラワーク、
小道具、音楽と・・・。細部のディテールというのか、とにかくこだわりというのが
半端ないのだ。アメリカの映画雑誌などでも特集記事として注目される作品であることが
なんとなくわかる気がする。。。



日本映画の歴史を見るうえでも、また映画というものじたいについて考えるためにも、
本作はぜったいに見るべき作品であろうと思う。



さて、山田洋二監督による「東京家族」はどうなるのだろうか・・・?




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ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
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詳しくは「はじめに」を
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