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「誰がために鐘は鳴る」

2月というのに師走気分が抜けない当ブログ管理人たる黒紅茶。
前回紹介したのは「狭き門」。そして、今回紹介する作品は、
アメリカ文学の巨匠、アーネスト・ヘミングウェイの
「誰がために鐘は鳴る」


発表は第二次世界大戦の最盛期といえる1940年。
43年にはゲイリー・クーパーとイングリット・バーグマン主演で
映画化もされたそうであるが、そちらは未見。てことであらすじに入りたい。






あらすじ:

ヨーロッパ諸国を次々と支配しつつあるファシズム。1936年、
スペインではドイツ・イタリアの後押しを受けるフランコ政権と
ソ連や西側諸国など、反ファシズム勢力の人民政府の二つの勢力が
全土で抗争を繰り広げていた。人民政府に義勇兵として参加した
アメリカ人の元教授ロバート・ジョーダンは、上司ゴルツ将軍の
密命を受け、アンセルモという老人ととある山中に出向いた。
目的は鉄橋を爆破してファシストの侵攻を食い止めることで、
その実行のためには山にいるゲリラの力が必要であった。

反ファシスト活動において武勇をとどろかせていたゲリラのボス・パブロは、
籠城生活の果てに戦意を失い、鉄橋爆破の協力を拒む。だが、彼の妻の
ピラールや他のゲリラ兵は、これ以上の籠城を無意味に感じ、ロバートの
計画にも賛同的だった。ピラールは夫パブロを無能な人間と見下し、他の
ゲリラ兵ともどもパブロの殺害を暗に促すが、戦争以外での流血沙汰を
望まないロバートは、パブロの協力を得ないまま鉄橋爆破の準備をすすめる。

そんなロバートは、マリアという若いスペイン娘に惹かれあう。彼女は
親をファシストに殺害され、自身も凌辱された過去を持っていた。二人は
たちまち愛し合う中になるが、爆破作戦の実行日は刻々と近づいていく。

ロバートらは別のゲリラ隊の協力も取り付けることができるが、
彼は作戦準備をしていくなか、ひとり悩み続けていた。鉄橋爆破は
危険な任務であるにもかかわらず、戦局を大きく左右するような作戦と
いえるものではなかったのだ。ロバートの計画に唯一反対の立場をとる
パブロはそのことを知り、頑なな態度をとっていた。そんな彼は急に
旗色を変え、作戦に協力すると言いだした。ロバートやゲリラたちは
作戦開始前に波風を立てまいとパブロの心変わりを歓迎する。
ところが作戦実行の前日。パブロは鉄橋爆破に使う爆薬を盗んで消えてしまう。
ロバートは手榴弾を代用することで作戦を再検討する。協力を取り付けたはずの
他のゲリラ隊はすでにファシスト勢力に殲滅され、ロバートの部隊の体制は
万全とは程遠いものであった。ロバートはゲリラのひとりに伝令役を命じる。
伝令となったゲリラ兵のアンドレスは、作戦を実行するか否かを上層部に問うため
ゴルツ将軍のいる陣地を目指すが、途中で何度も足止めを受けてしまう。アンドレスが
上層部の人間と接触した頃には戦況は大きく変わり、鉄橋爆破も無用の策と化して
しまっていた。上層部からの伝達を待っていたロバートは、作戦実行を決意する。
激しく燃え上がるロバートとマリアの関係。作戦成功の暁には添い遂げることを二人は誓う。

作戦開始間際。
ロバートは愛するマリアに別れを告げ、戦いの準備を急ぐ。そこへパブロが
現れる。作戦を無謀と思い、爆薬を河に捨てたパブロであったが、再び彼は
心変わりをし、若いゲリラ兵を連れてきたのだ。ロバートはパブロを戦列に加え、
目標の鉄橋へ攻撃を仕掛ける。双方に戦死者が出る中、ロバートは鉄橋を爆破するが、
アンセルモ老人は戦死、さらにロバートも負傷してしまう。仲間を逃がすため、
ロバートはひとり戦場に残ることを決意する。それは彼の死を意味していた……。










誰がために鐘は鳴る

スペイン内戦の歴史を知ったうえで、この言葉を思い浮かべると、とても切ない。





戦争には誰が「善」で誰が「悪」という絶対基準はない。また戦争そのものを
「悪」と規定することもできない。そうするにはあまりに人類は人殺しをしすぎている。

物語はいっけん、ファシストに立ち向かう若きアメリカ人とスペインゲリラの戦いを
描いているように思えるが、一方でスペインゲリラが行ったファシストの虐殺についても
記している。それは戦いが善悪を超越した残虐な行為であることの証明だ。
主人公ロバート・ジョーダンはファシストと戦う一方で、自分が所属する陣営が
行う残虐性についても顧み、嫌悪する。そうしながらも、彼自身は無力なのだ。
そのために彼は無謀な作戦を実行せざるをえなくなる。そして、アンセルモや
他のゲリラともども戦死してしまう。ゲリラのボスであるパブロは生き残ったが。。。


何度も心変わりをする臆病な男にみえるパブロ。アンセルモやロバートの戦死の
要因は彼にあるように思えるが、パブロはピラールやマリアなどとともに生き残る。
物語が終わったのちも、彼なら生き続けるだろう。じつにしたたかなキャラクターだ。
けれども憎むことができない。

パブロの妻で、夫に対し結局のところ無力であったピラールも仕方のない女性だ。
彼女も生きていくだろう。

だが、
マリアは……愛する男を失ったあと、どう生きるのであろうか?



体制的にみて、ロバートの死は無意味な死ともいえる。
だが彼はただ無駄に命を散らしたのではない。自分が信じるものために
「何ができるだろうか?」「何かをなしとげたい」という思いで戦ったのだ。
現代の人々に、彼のような勇気を持つ者がいるだろうか?????





物語のダイナミズム、読みやすい文体。上下二巻とも分厚いが、
読み応えある作品なのでぜひとも手に取ることをおすすめする。

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Author:黒 紅 茶
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ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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