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「大いなる遺産」

東京への行き帰り中、ずっとチャールズ・ディケンズの本を読んでた。
「オリヴァー・ツイスト」や「クリスマス・キャロル」などで知られる、
イギリスの文豪だ。その彼の代表作のひとつ、「大いなる遺産」を紹介したい。
様々な監督&名優によって映画化されたこともある有名な作品だ。



あらすじ:

田舎の村で、姉と夫の鍛冶屋ジョウと暮らす少年ピップ。
彼はあるクリスマスの夜に、墓場で脱獄囚と遭遇。囚人から
脅されたピップは、囚人の足枷を切るためのヤスリと、食料を
彼のもとへ届ける。その恐ろしい経験が彼の数奇な運命のはじまりだった。


ピップは館に住む大金持ちのミス・ハヴィサムに呼ばれ、
彼女の養女エステラと遊ぶよう命じられる。その容姿とは
裏腹に冷たい心を持つ少女エステラに何度も馬鹿にされ泣かされるピップ。
彼は自分の境遇をだんだん嫌になっていくと同時に、彼女に惹かれ始めた。

それから四年の時が過ぎ、成長したピップのもとにジャガーズという弁護士が、
ある人物の依頼を受けてピップの前にあらわれた。弁護士によると、ピップは
莫大な遺産を相続することになったという。また遺産相続人にふさわしい人間に
なるため、紳士としての教育をロンドンで行う必要を迫られた。紳士に憧れを
抱いていたピップは、故郷の姉と義兄と別れ、ひとりロンドンへ向かう。
彼は自分を気に入る不思議な老夫人ミス・ハヴィサムが、自分とエステラとを
ふさわしい関係にするため自分へ密かに遺産を与えてくれたのだと信じていた。

ロンドンで暮らすこととなったピップは、ミス・ハヴィサムの親戚ポケット家の
庇護を受けることになる。ポケット氏の息子ハーバートと親友になったピップは、
都会でたくましく成長していく。ピップは受け継いだ遺産を密かに使って、
ハーバートの仕事を助けようとする。ロンドンでのピップの暮らしは充実したものだった。

だがその一方で彼は故郷の人々と疎遠になっていた。
姉の死をきっかけに故郷の村へ戻ったピップは、紳士になった自分によそよそしい
態度をとる故郷の人々との隔たり、身分の違いを思い知らされてしまう。だが、
それでもミス・ハヴィサムとの交流は続いていた。彼女の養女エステラと再会するも、
エステラの態度は幼い頃に比べさらに冷たいものとなっていた。エステラに恋心を
抱き、思い悩むようになったピップに、ハーバートはあることを告げる。

ハーバートによると、ミス・ハヴィサムは若い頃、ある男に熱烈に夢中になり、
その男と結婚を控えていた。しかしその男は詐欺師で、ミス・ハヴィサムと絶縁していた
腹違いの弟と共謀してミス・ハヴィサムの一族から大金を騙そうと企んでいた。
結婚詐欺に遭い、資産のいくらかまで奪われてしまったミス・ハヴィサムは男を憎悪する
ようになり、引き取った養女エステラを、自分の復讐の道具として教育してしまっていた。
男を嫌悪し破滅させるよう教育を受けたエステラ。彼女はポケット氏の家に寄宿する
乱暴な男ドラムルと交際していた。ピップはそれを知ってさらに悲しむ。彼は自分の想いを
伝えるも、エステラには届かなかった。

複雑な心境を迎えるピップの前に、謎の老人があらわれる。老人は幼少期のピップの前に
あらわれた、あの脱獄囚。なんと彼こそがピップの“パトロン”であった。彼の名前は
マグウィッチ。彼は不幸な境遇にいて何度も犯罪を繰り返しては逮捕されていたが、
自分を助けてくれたピップに恩義を感じ、異国で必死に働いては貯めたお金をピップに
向けて送っていたのだ。だが彼は追われる身であり、イギリスの警察に捕まれば、
たちまち処刑される運命にあった。

ミス・ハヴィサムではなく、この囚人が自分に遺産を与えた者であることを知った
ピップは一度は失望するも、彼は自分を間接的にも育ててくれたマグウィッチに恩義を
感じずにはいられなかった。親友ハーバートに“パトロン”の正体を告白したピップは、
プロヴィスという偽名を名乗るようになったマグウィッチを必死に匿おうと決心する。

プロヴィスことマグウィッチと交流するようになったピップ。そこで彼は様々な
真相を知ることになる。マグウィッチが重罪人となったのは、コンピスンという
詐欺師によって罪をなすりつけられたこと。コンスピンはミス・ハヴィサムを騙して
お金を奪った人物であったこと。ミス・ハヴィサムが男への復讐の道具として育て上げた
養女エステラは、なんとマグウィッチの実の娘であったこと。それらのことを知るにつれ、
ピップは混乱せざるを得なくなった。そんな彼の前に謎の手紙が届く。手紙を頼りに
故郷へ一時的に戻ったピップは、オーリックという男によって捕えられてしまう。

オーリックはかつてピップの義兄ジョウの元で働いていたが、あることが理由で
ピップを逆恨みし、彼を殺害するチャンスを待ち続けていたのだ。またオーリックは、
彼がマグウィッチを匿っていることや、コンピスンが身の危険を感じてマグウィッチを
警戒していることも知っていた。窮地に陥ったピップ。だがそこへハーバートらが
あらわれ、オーリックを撃退する。

一命をとりとめたピップ。彼はさっそくマグウィッチを別の場所へ隠すことにする。
ハーバートは彼を助けるため、婚約者クレアラの家にマグウィッチを住まわせる。
そして彼らはマグウィッチを遠くへ逃がす手筈をととのえる。ピップはミス・ハヴィサムの
家へ訪問することになった。ミス・ハヴィサムは、自分がエステラを間違って育て上げた
ことを強く後悔していた。マグウィッチから得た資産を使わないようになっていたピップは、
ミス・ハヴィサムに対し、密かにハーバートを援助するよう願い出る。ミス・ハヴィサムは
ピップの願いを受け入れるが、その直後、館で火事が起き、二人は重傷を負ってしまう。

ピップとハーバートらは、マグウィッチを逃がすべく行動を開始する。
だがそこへ、マグウィッチの仇敵であったコンピスンがあらわれる。マグウィッチは
コンピスンを亡き者にするが、警察によってついに逮捕され、死刑台に立たされる。

マグウィッチの死。仕事のためにロンドンを離れることになったハーバートとの別れ。
そしてマグウィッチからあたえられた資産の凍結。ピップは心身ともに疲れ、倒れる。
病床のピップの前にあらわれたのは、義弟で大親友だったジョウ。ジョウはピップが
立ち直っていくのを見ると、すぐ故郷へと戻る。ジョウはピップがかかえていた負債を
すべて支払っていた。資産をすべて失い落ちぶれてしまったピップだが、その心は晴れていた。
故郷に戻ったピップは、ジョウをはじめ故郷の人々と再会する。

それから時が過ぎ、ピップはハーバートの仕事を手伝うようになっていた。
独身を貫く彼の心の中にはエステラがいた。そのエステラは、ドラムルと不幸な結婚をし、
ドラムルが不慮の事故でなくなってからは消息が途絶えていた。二人は、因縁の地ともいえる
ミス・ハヴィサム不在の館で再会を果たす。さまざまな運命を経て、しがらみから解放された
二人は、お互いの友情を確かめ合い、そして……。









中盤はすごくなかだるみしたが、マグウィッチが再登場してからすごく面白くなった。
マグウィッチの登場とともに明らかになる相関図が面白い。まったく立場が違う
自分たちがああも繋がりを持つとは。だが、にしても、エステラというヒロインの
性格が最後までつかむことができなかったのはなぜだろうか……?


物語の意外性も面白いが、登場人物たちのキャラクターもひとりひとり際立つ。
序盤に登場するピップの姉やその夫で義兄のジョウ。二人の描写を読んでいると、
ジブリ作品でよく描かれる強い女と弱い男の対比を思い出した。ジョウはいっけん
頭が悪そうに思えるけれど、心の優しい人物で、周囲の人間がピップの立場の変化に
あわせて心変わり(悪い意味で)するなかでも、最後まで親友であろうとする。

神が御存じだ、私たちは涙を恥じる必要は決してない。
だって涙は私たちの硬い心の上にかぶさる、人を盲目にする
土ぼこりの上に降る雨なんだもの。
(角川文庫版:“中巻”P49)


ピップとジョウが別れる場面でのこの記述はズシンときた。


花嫁衣装のまま光の閉ざされた部屋で孤独に暮らすミス・ハヴィサム。
ようはサイコな女性というわけだ(笑) 彼女がそうなるまでの物語はいいが、
結局、彼女には何の救いももたらされなかったのが少しかわいそうに思える。

ピップの後見人ジャガーズ弁護士と、その書記ウェミック。
とくにウェミックとピップとのあいだの交流はよかった。
モブキャラ(というと失礼か♪)にも作者の配慮が届いているわけだ。

そして際立つ(というか変な?)登場人物のなかでも最も常識人といえるのが
中盤以降からどんどん活躍するハーバート青年。とてもしっかりした脇役だ。
まあ最初の登場シーンは“?”と思ったけどね・・・。




遺産を失ってから数年後に再会するピップとエステラ。
ふたりの意味深な会話。これから彼らはどうなるのか?
プラトニックな関係のまま過ごすか、それともピップの想いは成就するのか?
とっても余韻のあるラストシーンだ。


「大いなる遺産」
それはマグウィッチより与えられた莫大な資産ではなく、
主人公ピップが辿ったその数奇な運命そのものなのだろうか・・・。

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Author:黒 紅 茶
どこかの田舎っぺです。
ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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