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「完全なる首長竜の日」

不眠不休で働いた木曜。
その翌日の飲み会では疲れ(?)が祟ったのか、
いつもよりアルコール回りがはやく、居酒屋から出たあとの
記憶がぽっかり抜けている当ブログ管理人たる黒紅茶。
疲れたときに酒を飲むのは危険ということが判明したところで、
久しぶりに小説を紹介したいと思う。今回紹介する作品は、
乾緑郎の「完全なる首長竜の日」。この作品は第9回『このミス』で
大賞を受賞している。また6月頃には綾瀬はるか主演で映画が公開されるそうな。

綾瀬はるか主演というのはなんかビビッとくるが・・・。
まあそれはともかく作品紹介に移りたい。



あらすじ:

15年近く連載していた作品の連載打ち切りが決まった、少女漫画家の和淳美。
彼女の弟・浩市は数年前に自殺未遂をして以来、植物状態に陥っていた。淳美は
“SCインターフェース”と呼ばれる医療器具を通じて、意識不明の弟と
対話を続けていた。仕事がなくなった彼女は、編集者やアシスタントらと
ささやかな打ち上げパーティを行うことを決める。それから彼女は弟の夢を
頻繁にみるようになり、いつしか現実と夢の区別がつかなくなっていた。
そんな彼女の前に二人の女性があらわれる。

ひとりは死んだ息子が淳美の漫画の大ファンだという仲野泰子。
もうひとりは新しく浩市が入院している病院に赴任してきた相原英理子。
仲野の息子は死ぬまでの間、浩市と同じ病院に入院しており、仲野は
これまでインターフェースを通じて息子と対話(センシング)してきた。
その彼女はあることを理由に、浩市と対話したいと言い出してきた。
なんと仲野は何の面識もないはずの淳美の弟と対話中に知り合っていたのだ。
だが仲野の体験は医療技術者たちの間では迷信として忌避されてきた。
その迷信を専門として研究してきたのが相原であった。

姉との対話中に何度も自殺をする浩市。対話でも、夢の世界でもその光景を
目にする淳美は摩耗していた。そんな彼女は思い立って、ひとり鹿児島のある島へ。
鹿児島は彼女の祖父らの故郷であり、弟が幼い頃に溺れて、それがきっかけで
両親が離婚して以来一度も足を踏み入れたことがない場所であった。
彼女は弟の自殺原因が幼い頃の記憶の中にあるのではないかと考えていたのだ。

鹿児島への旅の中で、彼女はある真実に辿り着き、仲野と連絡をとる。
淳美は仲野を、彼女の息子が自殺を図った学校の屋上へと呼び寄せる。そして彼女は
これまでの体験がすべて“偽り”のものであったという結論を仲野へ告げる。
そう、自殺を図ったのは浩市ではなく淳美であった。仲野の正体は淳美と対話を試みる
相原によって生み出されたもので、頻繁に登場する浩市は幼い頃に鹿児島で死んでいた。
打ち上げパーティに参加する予定の編集者もアシスタントも、淳美の潜在意識によって
生み出された架空の存在。

淳美は仲野こと相原医師との対話を通して、最初の編集者との不倫が原因で、作品が
人気の絶頂期にあるなか自殺を図ったことを知る。そして長き眠りから目覚めるが……。







昔者荘周夢為胡蝶。
栩栩然胡蝶也。
自喩適志与。
不知周也。
俄然覚、則蘧蘧然周也。
不知、周之夢為胡蝶与、胡蝶之夢為周与。
周与胡蝶、則必有分矣。此之謂物化。


訳文:
以前のこと、わたし荘周は夢の中で胡蝶となった。
喜々として胡蝶になりきっていた。 自分でも楽しくて心ゆくばかりに
ひらひらと舞っていた。荘周であることは全く念頭になかった。
はっと目が覚めると、これはしたり、荘周ではないか。 ところで、
荘周である私が夢の中で胡蝶となったのか、自分は実は胡蝶であって、
いま夢を見て荘周となっているのか、いずれが本当か私にはわからない。
荘周と胡蝶とには確かに、形の上では区別があるはずだ。しかし主体としての
自分には変わりは無く、これが物の変化というものである。


(ウィキペディア/「胡蝶の夢」の項より引用)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%A1%E8%9D%B6%E3%81%AE%E5%A4%A2


会社の同期から借りた本。
『このミス』大賞の本は実はこれまで一度も読んだことがなかった。
なので気になっていたから借りた翌日――つまり今日、一挙に読み終えた。
面白かった・・・。

・・・だが、
夢野久作の「ドグラ・マグラ」を読み、クリストファー・ノーランの
『インセプション』を見たことがある人ならば、本の中盤前には物語の
結末が予測できてしまうだろう。




文章の運びはとてもうまいし、“SCインターフェース”の設定はとても
現実的なものであった――というか、現実となりつつある。どうやら最近になって
寝ている人の夢を映像化する技術が生まれたそうなのだ。だが残念ながら、
わくわく感のないまま物語が私の中で終わってしまった。

この種の作品は基本的に“夢オチ”に終わる。つまり物語の探偵役を担うべき
主人公じたいが謎の正体あるいは根本的なものだということが分かってしまうということ。
物語展開についてはまったく意外性がなかった。ただ帰納法的に物語を読み解くだけ。

展開が分かった要因は、何度も出てくる”胡蝶の夢”の故事、過去の記憶、
そして作品のタイトルにも冠している“首長竜”の模型。とくに“胡蝶の夢”という
単語はそれだけで作品のネタばらしになりうるほど有名な言葉だ。武本という謎の
女性看護師の存在もミスリード――そうであるならばの話だが――としては弱かった。



かといって物語がしっかりしていないわけではない。物語展開が“読めてしまった”ことを
除いては、各種の設定・描写はよくできていたものだと思うし、展開がある程度読めるから
こそ、どういう風に解き明かしていくのだろうかという期待感めいたものもあった。
いうなれば、「刑事コロンボ」や「古畑仁三郎」を見ている感じだ。





しかし、本作が映画化となると、どういう風に物語を表現するのだろうか。
淳美の自殺の原因となった××の描写を綾瀬はるかはやるのだろうか・・・?
なんか原作とはだいぶ違う気がするのだが。
この予告編を見てると……。

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詳しくは「はじめに」を
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