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「密約――外務省機密漏洩事件――」

大学の授業課題だったんで読んでみた。

つくづく人間はドロドロした生き物なんだな~と思った。

内容:

佐藤内閣の命とりとなるはずであった「密約」疑惑は
いつの間にか新聞記者と外務省女性事務次官との間の
「男女問題」へとすり替わり、うやもやのうちに終わった。
日本政府が隠した真実とは如何なるものだったのか、
なぜ、そのような事態へと変わっていったのかを作者は
事件の裁判を中心に検証していく。





「裁かれるべきは誰か」

これが文庫本の帯の宣伝文句だった。
だが、読み終えた後、この言葉は違うなと思った。

「裁くべきは誰なのだろう」と。

なぜ、日本政府はアメリカとの間に交わした四百万ドルの肩代わりを
国民に対し公表しなかったのか、というのが作者の着眼点のひとつで
あった。(岩波現代文庫本 P269を参照)

国民の諒解をとらずにアメリカとの交渉に踏み切った日本政府こそ
裁かれるべきで、密約の秘密電信文に関わった西山記者と蓮見事務次官は
刑事被告人にされるびきではなかった。
作者はそうも言いたいのだろう。


だが、時代背景を考えると日本政府のとった密約という手段も仕方なかったとも
思う。

日本は敗戦国であり、アメリカは占領国なのだ。

下手にアメリカに逆らうわけにはいかないし、
アメリカから突きつけられた要求を国民に伝えると 何らかの問題(暴動等)が
起きるかもしれない。
そう思って政府は秘密裏に沖縄返還交渉を行ったのだろう。

けれども、それは結局のところ政府が国民を信用してないということだろう。
民主主義の理念に反するものともいえる。

それを白日のもとにさらそうとした西山記者の行動は国民の「知る権利」を
追求しただけに過ぎない。

しかし、真実を知って何の意味があったのだろうか、
知ることそのものに何の
意味があるのだろうか?


西山記者の行動は結果的にひとつの家庭を崩壊させた。
ある女性のキャリアを潰した。
そうまでして真実を探る必要があったのだろうか。

もっとも、蓮見事務次官は西山記者の被害者とは一概に言えない。
彼女と西山記者との関係は作者が記すように「フィフティー・フィフティー」なのだ。

文を読んでいくと、西山氏が蓮見氏に言い寄ったのではなく、
蓮見氏が西山氏に近づいてきたのではないか、という疑問も生じてくる。

彼女との関係がなければ、西山氏は「密約」にはたどり着けなかっただろう。

事件後、蓮見氏はテレビや雑誌に登場し、自分が西山氏に誘惑された被害者であると
訴えている。
かたや西山氏は沈黙を続け、一方的に西山氏はメディアに叩かれることとなった。

大きく見れば、西山氏も蓮見氏も(政府の)被害者であるはずなのに……

当時の国民は密約事件を追求し、佐藤内閣を糾弾できなかった。
できないままに沖縄は返還され、日米同盟は築かれた。

後世の人々は、彼らをどう捉え、裁くべきなのだろうか?

いや、そもそも誰に裁く権利などあるのだろか?
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黒 紅 茶

Author:黒 紅 茶
どこかの田舎っぺです。
ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
読んでくださいな。

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