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「リーンの翼」(6)

あらすじ:(第六巻)

天の森スィーウィドー、そこでの戦いでシュムラ・ドゥを
討ち取った迫水。アマルガンの軍は徐々にガダバの軍勢を
追い詰めていった。戦いのなか、迫水はバイストン・ウェルに
「機関砲」をもたらしたグーベルゲン・ニーゲルと対峙する。
彼は言った。バイストンウェルも、いつかは独自に機械を発明
していく運命にあった、と。

ガダバの軍との決戦は敵味方問わず、多くの人の生命を容赦なく
奪い去る。迫水は宿敵であるゴド・ゾウを滅ぼすが、その彼を
アマルガンの凶刃が襲う。絶命する迫水! その瞬間を見たリンレイは
怒りの炎でアマルガンを灰にしてしまう。

……バイストン・ウェルで死んだ迫水。だが、その彼の魂は地上界に
帰り、小倉に原爆を落とそうとする米軍の爆撃機を消滅させる。
そして、迫水もまた消えたのだった……。
気になったところに対するコメントとして……

1、ノストゥ・ファウの死

まさか、彼女が残虐な目にあって死に至ろうとは…誰が
思ったであろうか?
この場面は異常である。羽根を釘でうちぬかれ、殴られ、
そしてドライバーをねじ込まれ……どうしてピーターパンに
登場するウェンディーのようなキャラクターがあのようなむごい目に
遭わねばならないのだろうか、と思うとあまりに痛い。この場面は、
ミ・フェラリオのコモン界における「立場」をあらわすための場面かも
しれないが、それにしてもひどい。

2、カランボー・シンの場面における迫水の非情さ

カランボーとは、五巻あたりから登場した子供の召使い(のようなもの)だ。
迫水の世話をやったりするキャラクターなのだが、彼も死んでしまう。
それも迫水の手によって! 彼は床山のリーダーであるハッサバ・ノゥムにより
人質にとられたのだが、迫水はためらうことなくハッサバに銃を放ち、それに
当たってカランボーは倒れた。明確な描写があるわけではないが、確実に
死んだだろうと思う。
ここで注目すべきところは、人質をとられたにも関わらず躊躇なく標的に攻撃を
加えたところだ。
これはヒーローものとしてはありえない話ではないだろうか?
たいてい、この手の場面になるとヒーローのとる行動は以下のものとなる。

1、人質の命のために降伏する(あるいは敵の要求をのむ)。
2、降伏するフリをして騙しうちをする。

だいたいこのようなものだろう。だが、迫水は違う。そこがこの物語と、その主人公で
ある迫水真次郎の特異さなのだ。第四巻における場面も同様だ。
アンマらが人質にとられながらも、迫水はリーンの翼をはばたかせて敵に向かった。

普通ではない!

だからこそ迫水はヒーローなのだろう、ととることもできる。

迫水と同じ行動に出た人物としては、無敵剛人ダイターン3の主人公である「万丈」が
挙げられる。第20話「コロスは殺せない」という物語がその例だ。
ここでは、万丈の助手(アシスタント)であるビューティという女性が「コロス」という
敵によって人質にとられる。コロスとは、万丈の宿敵であるメガノイドの大幹部である。
万丈はメガノイドに対する憎悪の念で戦いを続けていた。その敵が助手を人質にとり、
彼の目の前に居るのだ!

万丈「ビューティ、すまない。僕はビューティを助けコロスを倒せるほど格好良くは
できてはいない。この一度のチャンスを取り逃がすわけにもいかない。僕にはそんな余裕
もない。ビューティ、死ぬ時はひと思いに殺してやる……」


そして、万丈はビューティを人質にとるコロスに向けて機関銃を放つ。驚いたコロスは
人質を解放して撤退する。

リーンの翼(第六巻)と同じである。

このようなヒーローはなかなかお目にかけられないと思う。作家である富野氏の
すごさとも言えよう。

3、アマルガンが迫水を殺害した理由

これが少し理解しがたい。
というのも、アマルガンはガダバを倒したに過ぎない…つまり、彼が国を大きくしようと
考えているのならば、迫水の利用価値というのはゴゾ・ドゥ死亡後も十分にあるわけだ。
にもかかわらず、アマルガンは迫水を殺害した。
アマルガンが迫水を危険視する場面は所々に見られたが、あまりに急展開である。
そこが理解しがたい、というより腑に落ちないのだ。
まぁ、アマルガンが「そこまでの人物だった」ということで片付けられるところではあるが。

ちなみに、第六巻の『作者のことば』のところで富野氏はこのようなコメントを残している。
以下に引用してみる。

物語が終わったのは、ぼくが根負けしたのだろうし、ぼくの中に何もなくなったからなのだろう。
その両方が理由かも知れない……(以下省略)


「富野氏にはガダバ攻略後のストーリー展開が思いつかなかった。
だから、アマルガンに迫水を殺させることで唐突に物語を終わらせたのだ」

という風にも解釈することができるだろう。自分としては、そうはとりたくはないが……。


4、不思議な余韻を残すラスト

(前・中略)……しかし、リンレイ・メラディの命が長らえているのならば、
リンレイ・メラディの血が復活することは、容易である。


これが、この物語の締めくくりの言葉である。この言葉が読者に突きつけるものは
おそらくこのようなものだろうと思う。

――リンレイの体の中には迫水の子が宿っている――

それを示唆するわけではないが、迫水とリンレイとのセックスの描写がかなりある。
セックスとはたんに性欲を満たすための行為ではない。新たな生命を育むためのものでも
あるのだ。だから、セックスを何度もすることでリンレイが妊娠したとしてもなんの不思議も
ない。
…おそらく、バイストン・ウェルにはコンドームはないだろうし(笑)

だが、ここで言いたいのはそんなことではない。この一節が意味することである。
たんにリンレイの受胎を示唆しているわけではないだろう。
銀英伝のラストにおけるフィリックスが空の星をつかもうとするシーンを読んだときと
同じ不思議な感覚が、リーンの翼のラストにも感じられらのだ!

それは、ハッピーエンドとか、バッドエンドとかであらわすことのできないものだ。
どちらともとれるし、またとれない……。実になんとも言い難いのだ!

もし、リーンの翼に続きがあるのなら、どのような展開があるのだろうか?
リンレイの胎内に宿った迫水の血は、バイストン・ウェルに何をもたらすのだろうか?



いまの段階では全体的な感想が言えそうにないのだが、思う事といえばなぁ……

もう少し、キャラを大事にしてほしかったかな…。
迫水の物語であるのだから、彼を中心として物語が収束していくのは仕方のない
話であろうが、アンマやクロス・レットをはじめとした個性的なキャラクターが
いっぱいいたのだから、せめて何らかの「けじめ」を彼らにつけてほしかったな、
と思わないでもない。
けど、「皆殺しの富野」はごめんな(笑)




さて、聖戦士ダンバインの続きをみようかな♪♪
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黒 紅 茶

Author:黒 紅 茶
どこかの田舎っぺです。
ブログタイトルの“Of”は
飾りです。偉い人にはそれが
分からないのです(苦笑)
詳しくは「はじめに」を
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